がんや慢性の病気によるつらい症状や痛み、不安を和らげる緩和ケアを、患者さんとご家族に専門家の医師が提供する緩和ケア外来クリニック。病気の進み具合を問わず受診できます。遠隔診療(オンライン診療)にも対応しており、診療所は東京の椿山荘の近くにありますが、再診以降は全国どこにお住まいでもスマートフォン等を用いたビデオ通話で診察・処方を受けることもできます(処方を伴わない相談は初回から遠隔対応も可能)。緩和ケアといえば当院にご相談ください。【診療科:緩和ケア内科・疼痛緩和内科・がん内科・がん精神科】

がんと精神・心理

最善病に陥らない がんと不安と安心

早期緩和ケアクリニック外来の緩和医療専門医(緩和ケア医)大津秀一が解説するがんと安心と緩和ケア

過度な熱心さが招く苦難

ご自身の病気のことなので、熱心な方も多いです。

確かに、熱心でなければ、特に緩和ケアのことなどは知ることはないでしょう。

一方で、私が知っているある方は、相応の再発リスクを抱えながら、全くノーケアです。

私達はそれぞれいろいろな性格や考え方を有しています。

それぞれの視点からは理解しがたい考えをする方もいるのがこの人間社会ですが、その多様性もまた人間らしさでありましょう。

ただ大学病院時代も含めて10年以上緩和ケア外来をしていると、気がつくこともあります。

それは「これで良いのですよ」と伝えられるのが面白くないご様子の患者さんです。

(★今診療している方や最近診療した方のお話ではなく、一般的な話です。それなので「私のこと?」とご心配にならないでくださいね)

 

はたから見ていてすごいのにちっとも満足できない

そのような方はとても熱心です。

様々なところにセカンドオピニオンに行かれ、それぞれの専門家にも十分かかり、やれることはほとんどやっていると言えます。患者会にもよく参加されたりもしています。

もちろん生きるか死ぬかのことなので、熱心になるのは当たり前ですし、それ自体は良いことです。

現代の医学でできる範囲で「ほぼやっている」と言えます。

それなので、

「これで十分とまずは言えますね」

「やれることはやっていますね」

とお伝えします。

嘘をついているわけでも、おだてでもありません。

やれることをやっているので、そう伝えるのです。

しかし……。

どうも表情が険しいままです。

全然納得していない、というご様子の方もいらっしゃいます。

「病気がこれで治る」というくらいにインパクトがある助言を求めていらっしゃるのかもしれません。

あるいは「まだまだこういう方法がありますよ」と目をみはるような新情報を期待されているのかもしれません。

もちろん外来に来られているのですから、それに相応するインパクトがある情報を求めるお気持ちはわかります。

ただ治療ばかりに目がいきがちですが、実は心理状態も重要なことは多々指摘されています。

安心も、病気の経過の上で重要なのです。

例えば、下記の研究のように、4回のセッションで腎細胞癌の患者さんが「最も深いところにある考えおよび感情を書く」ことにより、平板に記述した群よりも10カ月後の症状および身体機能が有意に改善したと報告されています。

Expressive Writing Improves Symptoms and Physical Function in Patients With Renal Cell Carcinoma

標準治療に追加する治療に関しては熱心なのに、それよりもずっと安価に実践できるアプローチ(緩和的なアプローチとも言えます)にはあまり価値を認めていないことがしばしばあるのが残念でなりません。

そして私の考えですが、早期からの緩和ケアが有効なデータが出ているのも、定期的な受診で、「劇的な新情報」ではなく、「地道な心身のメンテナンスで根本的な部分を改善する」ことに依っていると思います。

特効薬での一発逆転を狙うのではなく、小さな積み重ねが大きな流れを作るのだと考えます。

 

劇的な最善を求める気持ちが強すぎると

妥協なく最善を目指すこと。

一般的にはそれが良いことは間違いありません。

ただ最善は、追加の薬剤や治療を導入することなのかというとそうとは限らないのです。

むしろ、できていることをできているとちゃんと認め心理的な平静を得ることのほうが、何百万円もする治療や、非標準治療を追加することよりも、よほど効くかもしれません

その点では、認めるべき自身の成し遂げていることも認めず、「まだもっと追加した治療ができる」と不安な気持ちでいることは、病気に良くないのではないかと感じることもあります。

期せずして、「安住を得られない心理状態」になってしまっているのですね。

「今のままで良い」と聞くと、「もっとやれることがあるはずなのに、そんなアドバイスでは納得いかない」と思ってしまうのでしょう。

「このくらいで十分やれている」とハードルを下げて、「よくできているな、自分」とご自身を褒めてあげることが、良いのではないかと思うのですが、「今のままで良いなんて!」「納得いかない」という表情を見ると、もったいないと思います。

突き詰めすぎることも、苦痛につながります。

容易なことではないですが、「ここらへんでまあ良いか」「十分やったな、自分も」とある程度で満足できるほうが、短くない道のりをうまく歩んでいくのには良いのかもしれません。

頑張りすぎたかな、という時は少し抑え、「まだまだやれることがあるはず!」という時も「でもこれくらいでも良いかもしれない。とりあえず自分はよく頑張っている」とまずは自身の歩みと努力を褒め、やっていきたいものですね。

そしてそれが長期的にはプラスになるのではないかと思います。

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