がんや慢性の病気によるつらい症状や痛み、不安を和らげる緩和ケアを、患者さんとご家族に専門家の医師が提供する緩和ケア外来クリニック。病気の進み具合を問わず受診できます。遠隔診療(オンライン診療)にも対応しており、診療所は東京の椿山荘の近くにありますが、再診以降は全国どこにお住まいでもスマートフォン等を用いたビデオ通話で診察・処方を受けることもできます(処方を伴わない相談は初回から遠隔対応も可能)。緩和ケアといえば当院にご相談ください。【診療科:緩和ケア内科・疼痛緩和内科・がん内科・がん精神科】

緩和ケアクリニック院長より

医療の神様

早期緩和ケアクリニック外来の緩和医療専門医(緩和ケア医)大津秀一が解説する医療の神様や神の手

胸のすくようなことはめったにない

医療を仕事としていると、胸のすくような思いをすることはめったにありません。

成功して当たり前、人の命に関係することですし、自分が求めるレベルも次第に高くなり、そんじょそこらのことでは満足できなくなります。

特に、私が接する患者さんたちは、再発の不安や恐怖と闘い、ある時は治らないという現実と対峙し、相当な苦難を重ねて私のところにたどり着いておられます。

再発もゼロにしたいし、亡くなる方もいなければ嬉しいです。

あるいはどんなに厳しい病気でも、全く苦痛がなく時間を過ごして頂くことができれば最上でしょう。

しかし、不確かなこの世の中と医療においては、絶対はありません。

常にベストを尽くしていますが、再発される方も亡くなる方もおられますし、病気の状態によっては苦痛を感じられる方もいます。

そのような現実に患者さんやご家族も時として対峙するのですが、私のような医療者も直面するのです。

 

はっぴーえんど

在宅緩和ケア医を描く漫画『はっぴーえんど』の監修をしています。

もう少しで連載開始後2年になりますが、先日監修作業中に、あるシーンが目に留まりました。

それは主人公の医師が死の近い方にケアを行うシーンなのですが、患者の家族も巻き込みながら、全体をケアし、穏やかな時間を提供するものでした。

劇中の患者さんのお顔は実に穏やかで、満ち足りたものがありました。

もちろんもう先が長くないだろう患者さんです。

しかし、良い時間を持つことができ、医師がその媒介となったのです。

私は読んで思いました。

主人公に「医療の神様が下りてきた」と。

 

医療の神様

前述のように、なかなか医療に満足という言葉はありません。

自分がどれだけ成長しても、なおも難しい問題が立ちはだかります。

特に、かつてある緩和ケアの本のまえがきで記されていたように、「患者さんの痛みが満足に取れない頃には、痛みを取ることで精一杯だった、しかし痛みが取れるようになると、患者さんはより根源的な問題を私たちに投げかけるようになった」という一節がそれに該当します。

そこに終わりはありません。

一人の人間が亡くなるのです。

相当な天寿をつつがなく全うしたというのでもなければ、誰かが何らかの悔いを程度差こそあれ感じるということは頻々とあります。

それなので、それを支える医療者にも満足はありません。

「もっとできることはあったかもしれない」

そう思うからです。

それでもごく僅かに、見えざる手が働いて、救いの力が発揮され、納得が得られることもあります。

医療の神様が下りてくるのです。

患者さんの苦痛がゼロになるような劇的な緩和ケアを提供できたり。

絞り出した言葉が、患者さんにとって支えとなってくれ、見違えるように元気になられたり。

そういう忘れられない会心の一瞬があるから、不条理が多い世界に生きて、絶対正答がない問題に患者さんやご家族と日々悩み続けることができるとも言えましょう。

そのような瞬間は稀です。

けれどもそれとまた会えるように、日々努力をし続けています。

 

まだ研修医の頃。

当直をしていると、肝硬変の末期の患者さんが吐血をしました。

最低限の処置は全て行い、指導医にも電話連絡し、夜は経過観察とすることになりました。

いつもは一言も苦しいと仰ったことがない患者さんが、

「先生、助けて……」

と。

涙を浮かべていました。

命は、救えません、残念ながら。

私は彼の身体を奥さんとさするしかできませんでした。

一生懸命さすりました。さすり続けました。

荒かった息が次第に穏やかになり、小さな声が聞こえました。

「先生、ありがとう……」

彼は涙を流して、そう仰ったのです。

正直、そんなことしかできませんでした。

しかし彼は満足そうに私を見て、うなずかれました。

必死で、時間も覚えていませんが、無心に奥さんとさすり続け、彼はつかの間の眠りにつかれました。

そして数日後旅立たれました。

その後は、不思議なくらい穏やかでした。

彼が亡くなった後、「父は、若い先生たちに診てもらうことをとても喜んでいました。私を使って勉強してほしい、といつも言っていました」息子さんが教えてくれました。

もう治らないことを彼はわかっていました。

ならば、若い医師に勉強してもらおうと、この一身を捧げようと。

しかしあまりもの苦痛と不安に押しつぶされそうになった時、初めて「助けて」という言葉が出たのでした。

正直、大したことはできていません。

けれどもあの時、無心にさすった自分には、医療の神様が後押ししてくれたのではないかと思います。

そのような機会に出会えればと思いながら、患者さんと向き合っています。

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