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新型コロナウイルス

レムデシビルと新型コロナウイルス

新型コロナウイルスと注射薬レムデシビル

【2020.5/8追記】

新型コロナウイルスと5/7に承認されたレムデシビルについて最新情報を紹介します。なおこの記事は特定の薬剤を勧めるものではなく、あくまで最新情報などを一般に提供するためのものであることを確認しておきます。

 

新型コロナウイルスとレムデシビル

最近、新型コロナウイルス関連では何でもニュースになります。

私もYouTubeで動画配信を行っていて、それらに関してよく相談されます。

レムデシビルも論文が出たのが4月10日だったのですが、11日にはポータルサイトに掲載されましたし、12日には動画化しました。

情報の伝播が、非常事態ということもあるのでしょうけれども、とても早いですね。

論文のリンクは下記となります。

Compassionate Use of Remdesivir for Patients with Severe Covid-19

内容を解説します。

 

レムデシビルとファビピラビル(アビガン)の違い

レムデシビルはアデニン類似体でRNA依存性RNAポリメラーゼの阻害などでRNA産生を抑えます。

アビガンはグアニン類似体で、RNA依存性RNAポリメラーゼに取り込まれてRNA合成を阻害します。

いずれもRNAの生成を抑制する機序で、広い意味では他の治療候補薬よりも類似しています。

今回の研究では10日間の点滴で治療されています。レムデシビルは点滴薬です。

53人の研究だったのですが、これまでの諸研究と異なって日本人が9人含まれています。多国籍の研究なのですね。

患者さんは重症者が多く、57%が人工呼吸を受けています。8%は体外式膜型人工肺による治療を受けていました。

結果は、数値としては良いものでした。68%が呼吸状態が改善し、57%は抜管(気管のチューブを抜去できた)、47%は退院しました。

一方で、13%はお亡くなりになっています。

現在、ランダム化比較試験も進行中なようで、その結果が待たれると結論されています。なおそちらは10日間ではなく5日間の研究です。

 

さらに詳細を見てみると…

これまでの情報は論文の要約に記されているものです。

本文の記載でも気になるところをこれからピックアップします。

発症から治療開始までは12日でした。これは人工呼吸群でもそうではない群でも同等でした。

重症者が多いので、発症後2週間程度経過しているのが特徴ですね。

呼吸状態の改善は68%で、増悪したのは15%。重症者メインの対象としては良い結果に見えます。しかも軽症者は全員改善しています。

副作用は60%で認められました。

肝酵素の異常、下痢、発疹、腎障害、低血圧などです。

重篤な有害事象は23%で確認されたとありますが、ここは解釈に注意が必要だと思われます。

内容は多臓器不全、敗血症性ショック、急性腎障害、低血圧などで、重症群であるため病気自体の変化があり、そちらが原因である可能性が考えられます。

全死亡率は13%で、少し前に報じられたロピナビル/リトナビル(カレトラ)の199人を対象としたランダム化比較試験の28日死亡率が22%であることから見ると、良いでしょうというニュアンスで表現されています(私見です)。

しかし確かに、同試験では人工呼吸実施者が1人だけで、対して本研究の半数以上が人工呼吸を行っていた患者であることを考えると、それでも死亡率がより良かったことは注目されるとは思います。

また他の研究での全死亡率22%も引用されています。

研究の限界としては対照群がいないこと、そのためはっきりとした結論を導けないことを述べながらも、臨床的利益を重症者でも得られる可能性が示唆されています。

 

その後3編の研究が発表され、承認へ

その後急速に話が進み、5月上旬にレムデシビルは承認される見込みです。

この間、3編注目すべき研究が発表されました。

① Lancetに掲載された中国での研究

Remdesivir in adults with severe COVID-19: a randomised, double-blind, placebo-controlled, multicentre trial

レムデシビルの使用如何は臨床的改善までの時間の差とは関連していなかった(ハザード比1・23、 [95%信頼区間 0・87–1・75])という残念な結果に終わった研究で、WHOから最初にこれが発表され、その後日本で認可の話が出たことから、かなりの議論を呼びました。実際には②の研究を踏まえて認可の方向性になったのではないかとうかがわれます。

② アメリカ国立衛生研究所(NIH)主導の研究

NIH Clinical Trial Shows Remdesivir Accelerates Recovery from Advanced COVID-19

レムデシビル投与群がプラセボ投与群よりも回復までの時間が31%速いという結果(p <0.001)です。

具体的には、回復までの期間の中央値は、プラセボ群では15日でしたが、レムデシビル群では11日でした。

統計的に意味のある差は出ていませんが、レムデシビルを投与グループの死亡率は8.0%、プラセボグループでは11.6%という結果でした(p = 0.059)。

③ ギリアド社主導の研究

Gilead Announces Results From Phase 3 Trial of Investigational Antiviral Remdesivir in Patients With Severe COVID-19

レムデシビルの10日間は、5日間と比較して、臨床状態の改善は同等であった(オッズ比:0.75 [95%信頼区間 0.51 – 1.12] )という研究です。

おそらく②の結果をもとに、日本でも承認される方向性です。

 

ところでお値段は? また問題点は?

でも高価なのでしょう? という質問をさっそく頂きました。

ところが調べるとそうでもないようです。

Potential Coronavirus Drugs May Cost as Little as $1, Study Says

もうそんな記事もあるなんてさすがアメリカ…という感じですが、レムデシビル9ドル、ファビピラビル(アビガン)20ドルということで、うんと高い薬剤ではなさそうです。ただしこれが実際に日本で発売になる場合に値段は未知数です。

あとは催奇形性に関しても一定の注意は必要そうです。

問題点はやはりランダム化比較試験で効果がもし得られた場合に、日本でどう承認され、使用可能になるかということでしょう。

あとは点滴薬であることも使用する際の簡便性の問題はありますね。

一方で、どうも似た薬剤で経口薬(EIDD-2801)も研究が始まっているようで、この分野での動きは活発ですね。

Oral antiviral shows promising early results against COVID-19, says new study

いずれにせよ少しずつ進歩はありますね。

ただまだもう少し、現行の対策でしのいでいく必要がありそうです。

無症状や軽微な症状の感染者も存在するため、知らぬ間に罹患している可能性が否定し得ず、自衛隊中央病院が見出した重症化の徴候である若年者は「頻呼吸」、高齢者は「SpO2の低下」を見逃さず、引き続きそれぞれに予防対策を取っていきたいものです。

【SpO2低下を測定するパルスオキシメータは下記で紹介しています】

★記事はこちら→新型コロナウイルスとパルスオキシメーター 経皮的動脈血酸素飽和度SpO2

元々はこのドリテックのものが安く入手しやすいため、私も診療所で使っています。ただ最近は以前より入手しづらいようですね。

医療現場ではNISSEIのものがしばしば使われていますね(現在は欠品がちですね)。

ざっと見てみると4月1日現在は次の富士コンテックのものが売られている中では安価だと思います。ただ、4月4日再確認するとこちらも欠品になったようです。急速に品薄になっていますね…。下記のリンク先から入って頂くと類するものも出てくるので、それで探して頂くと良いと思います。ただ繰り返しですが、製品としての機能は高価でも安価でもそれほど変わらないと思っています(個人的見解)。そのため、確実に届く、安い、この2点で選んで良いと考えます。

特にご高齢の方、およびご高齢の方と同居のご家族、持病がある方は検討されても良いでしょう。

 

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