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新型コロナウイルス

新型コロナウイルスとパルスオキシメーター 経皮的動脈血酸素飽和度SpO2

新型コロナとパルスオキシメーター

この記事は2020年4月1日現在のものです。

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2によるCOVID-19)が広がっている状況の現在、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2。サチュレーションとも言います)が着目されており、それを計測するパルスオキシメーターのことが話題に上るようになって来ています。

 

注目を浴びる経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2;サチュレーション)測定

皆さんはパルスオキシメーターをご存じでしょうか?

上のような大きな洗濯ばさみを指に挟むような器具をご覧になったことがある方もいるでしょう。

これは何を測っているかというと、皮膚を通して動脈血酸素飽和度(SpO2)を計測しています。

動脈血内の赤血球に含まれるヘモグロビンの何%に酸素が結合しているかを示しています。

パルスオキシメータとはどのようなものですか?(日本呼吸器学会)

96~99%が標準値で、90%以下が呼吸不全と考えられます。

また、普段の値から3~4%低下した場合は何らかの変化が起きている可能性が想定されるため、かかりつけ医との相談が推奨されます。

一方で、1~2%程度の上下はよくあることなので、実際計測している間でも上下しますので、それでナーバスになる必要はありません

また手が冷たいと正常に計測されないこともあるので、低い値が出てもギョッとしたりせず、しばらく付けたままにして値が上がってこないかどうかを確認したり、他の指で行ってみたり、手を温めて再計測したりなどが良いでしょう。

パルスオキシメーターの細かな上下で神経質になってしまう方もいるので、私はこれまで一般の方の使用に(もちろん必要な人はともかく)必ずしも賛成はしていませんでした。その考えは大きくは変わっていません。

しかし、新型コロナの広がりとともに、今後軽症者・中等症者は在宅あるいは宿泊施設での隔離となる可能性があり、そうすると、もちろん一番は(解禁が検討されている、初診からの)オンライン診療などでフォローアップを受けて、重症化などの可能性があると医師が判断した場合には速やかに指示通り入院するという形でしょう。

けれども、まだ今の段階ではオンライン初診は解禁されていませんし、「重症化の判断をどうしたら良いのか」という話は大変多く伺います。

どうしたら良いのでしょうか?

 

自衛隊中央病院からもたらされた大変な情報

そのような中、自衛隊中央病院から大変貴重な情報がもたらされました。

医療者向けの情報なのでリンクを貼りませんが、ポイントだけお伝えします。私がこの報告に言及するのは初めてですが、一般の方からもすでにこれについて多数内容の質問を受けており、注目されていることが伝わります。

以下がダイヤモンド・プリンセス号からの新型コロナ陽性患者さんを同病院が診療してわかったことです。

・無症状者および軽症者でもCTの異常影が約半数に存在

・同ケースの約3分の2はそのまま症状が変化することなく軽快し、約3分の1は症状が増悪

・症状増悪は初発から7~10日目が多い

・ただ比較的病状はゆっくりと進行し増悪に気付きにくい

そして

◎(3分の1の増悪例は)発熱や咳嗽の増悪や呼吸困難の出現ではなく、高齢者ではSpO2の低下若年者では頻呼吸の出現で気付くことが多かった

◎ CT検査で異常影があるにもかかわらず、PCRが陰性となる症例が一定数あり、しかも最後まで陰性のままの症例もあった

これは驚くべき情報です。

すなわち、肺炎なのに症状を欠くケースがあり、一貫してPCR検査が陰性の場合もあるということです。

これは感染者の検出が非常に困難なことを意味します。

そして一貫して無症状で、肺には変化が起きており、そのまま治癒に至るケースもあることが示されているのです。

そこで重要なのは、やはり一定の確率で生じる「重症化」をいかに早期発見するか、という点になるでしょう。

その際に、自衛隊中央病院の報告の中で示された、若年者は「頻呼吸」、高齢者では「SpO2の低下」という目安は大変参考になります。

 

頻呼吸やSpO2の低下

高齢者がSpO2の低下でわかるのだったら、絶対にパルスオキシメーターが必要か。

それは必ずしもそうとは言えないと考えます。

なぜならば本来、(今回はウイルスによる)肺病変が起きてガス交換が障害されれば、人は自然に呼吸回数を増やして、低酸素の状態を補うのが通常だからです。

そのため、若者では呼吸回数が増える頻呼吸が目安になるのです。

呼吸回数の正常は12~15回/分です。

呼吸回数の上昇がSpO2の低下より「先に」出る可能性があり、SpO2の低下を待って判断すると遅いことがあります。

血中酸素濃度が低下傾向になっているのでまず呼吸回数を増やして酸素取り込みを増大させるのですが、それでも酸素濃度を維持するのが難しくなった段階でSpO2低下になるためです。

参考;SpO2の落とし穴

そのため、私の基本的な考え方としては、やはり呼吸回数に注目して頂いたり、他の全般的な調子(例えば亡くなった志村けんさんもだるさがとても強く出たと報じられています)に十分着目するのが良いのではないか、というものです。

一方で、今回の新型コロナウイルスでも、重症者に発熱を欠く人が少なくないことが指摘されており、一般的な感冒と同様の基準が役立つわけでもありません。

またそもそも高齢者は、肺炎でも症状に乏しいケースがあることが知られています。

また今回、病院レベルでも、高齢者の方はSpO2の低下で気がつかれた、ということは(もし頻呼吸があったらそれより先に気が付かれていると思うので)、低酸素への代償的な呼吸回数増加が乏しく、いきなり低酸素血症になる可能性も考えられます。

現場の医師の中にも一般の方へのパルスオキシメーターの使用を勧める意見もあり、確かに私も一つの選択肢として考えられるのではないかと思い始めています。

 

軽症と重症の違いを知っていますか?

よく質問されることとして、軽症と重症の違いがあります。

実はこの軽症や重症の区別にも、呼吸に関する状態の判断が大きな意味を持っています。

先日「39℃の発熱がしばらく続いている、これは重症ではないのか?」という質問を受けました。

それだけの高熱が続いているならば、まずもちろんコロナ以外の原因を十分検索しなければなりません。

しかし新型コロナで高熱が続いているとして、それだと新型コロナにおいては重症という区分にはならないのです。

以下が日本医師会のホームページに掲載されている資料へのリンクです。

新型コロナウイルス肺炎診療ガイドライン

軽症~重篤まで四段階あります。

(一)軽症
臨床症状が軽微で、肺炎の画像所見が認められないもの。

(二)中等症
発熱、呼吸器症状などがあり、肺炎の画像所見が認められるもの。

(三)重症
成人は下記のいずれかに該当するもの
1. 息切れ。呼吸数 RR≧30 回/分。
2.安静時の経皮的動脈血酸素飽和度≦93%。
3.動脈血酸素分圧(PaO2)/吸入酸素濃度(FiO2)≦300mmHg(1mmHg=0.133kPa)
◎肺の画像所見で、24~28 時間内に病巣の進展が 50%を超える者については重症型として管理する。

(四)重篤
下記のいずれかに該当するもの
1.呼吸が衰弱し、人工呼吸器を必要とする。
2.ショック症状が出現する。
3.その他の臓器不全を併発し、ICU での治療を必要とする。

重症と重篤は広い意味での重症で、軽症と中等症は広い意味での軽症となるでしょう。

一般の方向けの大切なポイントして次の二点があります。

◎肺炎があってもそれだけでは重症にならない

◎主として呼吸関係の数値が重症か非重症かの判断基準

重症のうちの1が呼吸回数で、2がパルスオキシメーターで測定できるSpO2が93%以下だということがわかります。

新型コロナにおいては呼吸状態の評価で、重症・非重症が分かれるのです。

できれば、呼吸回数が増えた段階で気がつければ良いのですが、注意点もあります。

それを以下に解説します。

 

人は意識が集中すると症状をより感じやすくなる

例えばパルスオキシメーターの1程度の上下で息苦しさが変化する…という方がいらっしゃいます。

それは明らかに敏感になってしまっていますね。

実験してみるとわかりますが(決して真似しないでください)、ちょっと息止めをしたくらいでSpO2は下がりません。

一方で、寄せられた声の中に「このコロナの話が始まって以来、どうも息苦しく不安だった。しかしパルスオキシメーターで測ったらSpO2が99%あって、息苦しさも落ち着いた」というものがありました。

私達は普段呼吸に注意を払いません。

しかしそこに意識を集中すると、息苦しく感じたり、不安になってきたりもあります。

あまり意識しすぎると、それで不安から苦しくなったりすることもあるので、それは十分ご注意ください。

ただ先述のケースのように「測って安心された」という方もいるので、ケースバイケースだとは思います。

 

 

パルスオキシメーターの選び方

これらの注意を十分踏まえた上で、自己判断でパルスオキシメーターの導入如何は検討されるでしょう。

このパルスオキシメーターですが、最近急に値上がりしました…。

やはり先を見て買い占めしている方がいるのでしょうかね。

いろいろなものがありますが、言うほど大きく変わるわけではないので、安価なものをレビューなどを参考に選ばれると良いと思います。

元々はこのドリテックのものが安く入手しやすいため、私も診療所で使っています。ただ最近は以前より入手しづらいようですね。

医療現場ではNISSEIのものがしばしば使われていますね(現在は欠品がちですね)。

ざっと見てみると4月1日現在は次の富士コンテックのものが売られている中では安価だと思います。ただ、4月4日再確認するとこちらも欠品になったようです。急速に品薄になっていますね…。下記のリンク先から入って頂くと類するものも出てくるので、それで探して頂くと良いと思います。ただ繰り返しですが、製品としての機能は高価でも安価でもそれほど変わらないと思っています(個人的見解)。そのため、確実に届く、安い、この2点で選んで良いと考えます。

特にご高齢の方、およびご高齢の方と同居のご家族、持病がある方は検討されても良いでしょう。

 

 

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