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新型コロナウイルスと多臓器不全 ウイルス感染に限らぬ原因・成因

新型コロナやウイルスと多臓器不全を解説

多臓器不全とは

2020年3月現在、新型コロナウイルスの話で持ち切りです。

それとともに、多臓器不全の話もしばしば出ています。

多臓器不全などと聞くと、まるで特殊な成分がウイルスに含まれているとお思いになる方もいらっしゃるのかもしれません。

実際、ネット上において、多臓器不全の言葉とともに一般の方が添えられているコメントを見ていて、それを感じました。

結論から言うと、多くの病気の最後の状態、終末期の状態は多臓器不全でもあります。

つまりこれはウイルス感染に固有の現象ではありませんし、珍しいことでもないのです。

人の臓器は連関しています。

肺が悪くなれば低酸素血症となり、他の臓器にも障害が及びます。

腎臓が悪くなれば、例えば終末期には肺に水がたまります。

このように一つの重大な臓器障害が、他の臓器の機能不全を起こしうるのです。

例えば、ウイルス感染において、ウイルスが多臓器を攻撃しなくても、一つの臓器が大きな障害をきたせば、全身の臓器に障害がでうるのです。

そして、もうひとつのポイントですが、私たちの免疫はとても良いのですが、やはりものごとには完璧というのもなく、あとに出てくるように過剰な免疫が災いを起こすこともあるのです。

解説していきます。

肺とARDS

2020年に大きな問題となっている新型コロナウイルス。

そのメインターゲットは肺だとされています。

新型コロナウイルスは以前流行したことがあるSARS(重症急性呼吸器症候群)に比較的近いウイルスです。

SARS流行の際には、重症例で罹患後肺に線維化を起こすケースがありました。

参考文献;https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15018132

ところが、今回のCOVID-19ではSARSの際と肺の変化が若干異なることが指摘されています。

鍾医師は18日の会見で、新型肺炎で死亡した患者を解剖したところ、肺の症状がSARS(重症急性呼吸器症候群)の患者とは違う点があるとしました。まず、SARSは肺が硬くなって呼吸がしづらくなる「肺の線維化」が見られましたが、今回は重い線維化の症状があまりないということです。一方で、今回の肺炎の特徴は肺に大量の粘液がたまることで、粘り気が非常に強いため呼吸が苦しくなるということです。さらに、肺の内部の炎症が極めてひどいとしています。

上記参考文献;https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20200219-00000001-ann-int

新型コロナウイルス感染症でもARDS(急性呼吸窮迫症候群)を起こすことが知られています。

ARDSは重症のウイルス感染症だけではなく、細菌による重症肺炎、敗血症や外傷などの様々な疾患が原因となります。

病態としては強い炎症を背景として、肺の血管透過性(血液中の成分が血管を通り抜けること)が亢進し、血液中の成分が肺胞腔内に移動して肺水腫を起こします。

そして酸素と二酸化炭素のガス交換が困難になってしまうのです。

 

炎症が原因

感染や重篤な病気となり、免疫系が過剰に活性化すると、サイトカインストーム(サイトカインの嵐)という状態に至る場合もあります。

ただネット上の記載を見ると、このサイトカインストームを「ウイルスの再感染」という言葉と結び付けておられる方もいました。

サイトカインストームが起こるのは、再感染に限ったことではありません。初感染からでも起こします。

サイトカインは、免疫システムが使用するタンパク質です。

これによって、感染部位に免疫細胞を動員します。

しかし重度の感染等が起こると、サイトカインが過剰に分泌されてしまうこともあります。人の免疫系統は完全ではないのです。

すると暴走した免疫系は、感染細胞だけではなく、正常の組織も攻撃してしまいます。

そしてその総攻撃が、様々な部分に及ぶことで、全身の臓器障害がさらに悪化してしまうのです。

なおサイトカインストームは感染ばかりではなく重症の膵炎など様々な病気でも起こし得るものです。

肝臓や腎臓も障害される

SARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)でも肝機能障害が起こったことが知られていますし、今回の新型コロナでも指摘されています。

肝機能障害は直接的な傷害あるいは免疫反応などが関与しているとされています。

またショック状態(医学的なショック状態とは、”気持ちがショックだ”というショックとは使い方が異なり、生命の危機が迫っている身体状態のことを呼称します)になると肝血流が障害されて、機能障害が出現・増悪することがあります。

腎臓に関していうと、SARS患者の急性腎障害は、低血圧、敗血症、薬物、代謝障害などの多様な原因からであることが示唆されています。サイトカインストームで急性腎不全に至った重篤な症例があることも知られています。

MERSにおいても、急性腎障害の報告があります。

参考文献;Clinical Course and Outcomes of Critically Ill Patients With Middle East Respiratory Syndrome Coronavirus Infection 

新型コロナでも急性腎障害の存在が指摘されています。

ただし腎臓も、他の臓器の障害やショック状態による影響を受けますので、それに伴って障害が出現しうるのです。

 

敗血症性ショックや凝固線溶系の異常であるDIC

全身の感染症などで臓器障害を伴うと敗血症となります。

敗血症からショック状態に陥ることがあります。

この敗血症性ショックでは、炎症性サイトカイン(IL-1、IL-6、TNF-αなど)と呼ばれる物質が放出され、人の血管内の血管内皮細胞と呼ばれる細胞を傷つけます。新型コロナウイルス感染症では重症例の血液検査でIL-6が上昇することが確認されています。

血管内皮細胞の傷害の結果として、血管内に微小血栓(ごくごく小さな血栓のこと)を作り、DIC(播種性血管内凝固症候群)と呼ばれる状態などに陥り多臓器障害や多臓器不全を起こすことになります。

DICは血栓を形成しやすくなるなど凝固系が亢進し、するとそれを溶かそうとする線溶系も併せて亢進することで、出血しやすい病態も併せて起こります。

これらもまた臓器障害をさらに悪くするのです。

まとめ 身体は連関している

このように、一つの病原体が体中に感染するから多臓器不全になるのではありません。

病原体によって引き起こされる高度の炎症が全身に波及し、また一つの臓器の重大な障害が他の臓器の機能不全まで引き起こし、多臓器不全を形成するのです。

新しい言葉が出てくると、まるである病気固有のことと捉えられがちです。

2020年現在で言うと、多臓器不全が新型コロナウイルスに固有のこととしての発信が散見されました。

多臓器不全は人の生の終わりにしばしば迎えうる事象であり、ウイルスばかりでなく、様々な病気でも起こします。

正しい理解が広まることを願っています。

【お役立ち情報】コロナウイルスと消毒(よく尋ねられる有効な消毒液をまとめました)

◯ 62〜71%エタノール

◯ 0.5%過酸化水素

◯ 0.1%次亜塩素酸ナトリウム

なお、2020年現在、消毒用のエタノールは品薄状態が続いており、無水エタノール4と精製水1の割合で作成することが一つの解決策です。

ただし、 燃料用アルコールの「メタノール」と間違えないこと、無水エタノールは引火しやすいため火の近くで作成しないこと、また乾くまで擦り込むことが大切なので手からしたたる程度までの量を使用することなどが大切です。

次亜塩素酸に関しては下記のページが参考になります。

次亜塩素酸水を使う際の目安濃度・適切なppmについて

次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウム液の特性の比較

また、新型コロナでのデータではありませんが、ウイルスの中でも新型コロナに近いSARSに関して、食器洗いに使う市販の中性洗剤も消毒作用があることが確認されています。

0.5%の濃度で「100万個」のSARSウイルスを倒すことができ、中性洗剤には薄めても十分に消毒効果があることがわかったとのことです。界面活性剤が同ウイルスに対して有効とのことです。

こちらも選択肢に挙がることでしょう。

 

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