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緩和ケア・緩和医療

頭痛のイブ(イブプロフェン)とカロナールはどちらが痛みに良く効いて副作用が少ないか【2019年最新版】

イブプロフェンとアセトアミノフェンの解説

痛み止めの専門家は誰?

皆さんは痛み止めの専門家はわかりますか?

もちろんペインクリニックの医師は、痛みの専門家です。

どちらかというと、神経ブロックなどの治療の専門家の側面がありますね。

実は私が属するような緩和ケア医は、痛み止めの内服薬等に詳しい医師の集団です。

これまで3700人のがんの患者さんを診療し、鎮痛薬も数多く処方してきた緩和ケア医の私が解説します。

なお、先日ロキソニン(ロキソプロフェン)とカロナールの比較を書いたところ、これもよく読んで頂いているので、ぜひご参照ください。

 

 

イブとカロナールは違った系統の薬剤です

イブの薬剤成分名はイブプロフェンと言います。

分類としては、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)になります。

NSAIDsなので、腎機能低下がある場合や、胃潰瘍・十二指腸潰瘍がある場合は、使うべきではありません。

カロナールの成分であるアセトアミノフェンは、NSAIDsではないので、アセトアミノフェンとイブは異なった薬剤です。

実は、アセトアミノフェンとNSAIDsを足すと、足した分の効果が得られるので、がんの患者さんにも併用することがあります(★ただし自己判断は止めて医師と相談してくださいね)。

調べてみると、市販薬にもこの効果を利用している薬剤があるのですね。

バファリンルナiです。

まさしく「イブプロフェン」と「アセトアミノフェン」の合剤です。

ただし市販薬なので仕方ありませんが、

イブプロフェン…130mg
アセトアミノフェン…130mg

と量は少なめです。

アセトアミノフェンは脳への作用で、イブプロフェンは炎症のある局所に作用し、ダブルで鎮痛効果を発揮するわけですね。

さて、イブの力はどうでしょうか?

 

効くスピードは?

イブは少し遅い気がします。自分も使ったことがあるからです。

調べると、やはりそうでした。

最高血中濃度到達時間は、

カロナール 0.46±0.19(時間)

ロキソニン 0.45±0.03(時間)

イブプロフェン(200mg) 1.98±0.98(時間)

で2時間前後とずいぶん遅いです。

がんの痛みであまり使わないのも理由があるのですね。

立ち上がりはそれほど良くないからですね。

 

持続時間は?

血中濃度が半分になる時間は次の通りです。

カロナール 2.36±0.28(時間)

ロキソニン 1.22±0.07(時間)

イブプロフェン(200mg) 1.86±0.25(時間)

です。ロキソニンよりは効果が持続しますね。

ただ効果消失時間≠上記の半減期なのでご注意ください。

一般的にはいずれも数時間効果は持続します。

 

どちらが良いか?

さて、どちらが良いか、ですね。

感冒や上気道炎の場合は、アセトアミノフェンが良いでしょうね。

というのは、そのような場合は、イブと同じNSAIDsであるロキソプロフェン(ロキソニン)を服用している群で治癒が遅い傾向があるためです(ただし統計的には意味のある差ではありません)。副作用はNSAIDs群で多かったです。

Influence of loxoprofen use on recovery from naturally acquired upper respiratory tract infections: a randomized controlled trial.

上気道炎中のNSAIDs使用での心発作のリスクを指摘するものもあります。下の記事等です。

Using NSAIDs during a cold may increase heart attack risk

基本的には、アセトアミノフェンを選択しておけば良いと考えられます。

ただアセトアミノフェンで鎮痛効果を期待する場合は、一般的な痛みならば(成人の場合)1回400~500mgくらいが良いでしょうね。少ないと効果が弱いです。なお、がんの痛みの場合はもっと多く使います(最大1000mg/回。最大1日量4000mg/日)。

実際、立ち上がりもアセトアミノフェンのほうが早いので、バファリンルナiのようなイブとアセトアミノフェンの合剤なども出て来ているのでしょうね。

 

 

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