がんや慢性病のつらい症状や痛み、不安の早期からの緩和ケアを末期に限らず専門医大津秀一が全国提供。遠隔相談可オンライン対応緩和ケア外来クリニックで東京文京区所在。病気の進み具合や種類を問わず早期受診できます。再診以降は全国どこにお住まいでもスマートフォン等を用いたビデオ通話で診察・処方を受けることもできます(処方を伴わない相談は初回から遠隔対応も可能)。内科専門医でもあり身体全般に詳しいです。緩和ケア・緩和医療といえば当院にご相談ください。【診療科:緩和ケア内科・疼痛緩和内科・がん内科・がん精神科】

医療用麻薬

亡くなる前のモルヒネと余命、モルヒネを使う時【2019年最新版。専門医解説】

早期緩和ケアクリニック外来の緩和医療専門医(緩和ケア医)大津秀一が解説する亡くなる前のモルヒネと医療用麻薬

亡くなる前のモルヒネが気になる

亡くなる前のモルヒネが気になっている方も結構おられるようです。

実は一度書こうと思っていたら、先日ご質問を受けました。

亡くなる前になぜモルヒネが気になるのか、それを考えてみましょう。

なお致死量に関する情報は下記です。

がんの痛みで使う医療用麻薬モルヒネの致死量はあるか?

 

一般に終末期が迫ると苦痛は増える

全員にがんの痛みが出るわけではありません。

それなので、あまり過剰に心配する必要はありません。

けれども一般に、病状が進行すると、痛みの出現頻度は増えます。

医療用麻薬も含めた十分な鎮痛治療が必要です。

 

亡くなる数日前の問題 せん妄

亡くなる数日前にはせん妄が問題になることをこのサイトでもこれまで何度か紹介してきています。

例えば下の記事等です。

苦痛緩和のための鎮静を知ることでつらい最期を回避

せん妄でも、苦しそうや痛そうに見えます。

苦しそうな顔で頷かれますので、「痛いですか?」と尋ねると、医療者も痛みととらえがちです。

それが医療用麻薬を増やし、せん妄にはマイナスになるかもしれません。

けれども一方で、痛み自体もせん妄を悪くさせます。

この時期の医療用麻薬は繊細な調整が必要であり、だからこそ本当の緩和ケア医にかかったほうが良いと何度かお伝えしています。

 

モルヒネが特段危険なわけではない

医療用麻薬にはモルヒネなど数種類が存在します。

モルヒネだけが際立って副作用が強いということもありません。

投与量が(モルヒネ換算で)同等ならば、モルヒネだけ危険ということはありません。

またしっかりとしたアセスメントに則って、適量を使えば、余命を縮めることも考えにくいです。

さらに言えば、亡くなる前に限って使用するのがモルヒネというわけでもありません。

より早い段階でも、痛みがあれば普通にモルヒネを使って良いのです(※ただし、がんの痛みの場合)。

 

まとめ

病気の進行とともに、モルヒネの量が増えることはありえます。

ただし、モルヒネは鎮静薬ではなく、鎮痛薬であり、万能薬でもありません。

そのため、最終末期のせん妄などには無効です。

一方で、亡くなる前にモルヒネを使ったとしても、それが基本的なやり方にそくしている限りにおいては、生命を縮めるものではありません。

モルヒネを使ったから意識が低下したわけでも、余命を短縮させるわけでもないので、それは心配ありません。

なお他の医療用麻薬でも考え方は同じです。

まだまだモルヒネには誤解があります。

正しい情報の普及を願ってやみません。

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