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食事 緩和ケア

抗がん剤治療中でも魚・寿司・刺身・野菜・果物は食べられる

抗がん剤治療中でも生魚・寿司・刺身・野菜・果物は食べられることの解説、化学療法中の食事制限について説明

抗がん剤治療中の食事制限は妥当か?

抗がん剤治療中に、食事制限を指示されることも多いようです。

薬物の濃度に影響を与えるグレープフルーツやセント・ジョンズ・ワート等の摂取には気をつけるべきですが、その話ではなく、抗がん剤の副作用にて懸念される状態に関しての食事制限です。

抗がん剤治療において頻度が多い副作用は、白血球減少です。

治療によって、一時的に白血球が低下します。

人の血液の中には、白血球・赤血球・血小板があります。

このうち白血球や血小板は抗がん剤が使用されてから7~14日に、赤血球は14~28日くらいに低下します。

どれくらい白血球が減少するかは、その抗がん剤がどの程度その作用を持っているかや、患者さん自身の体質、これまでの治療でどれだけ骨髄機能が低下しているか等によっても大きく異なります。

ただ白血球が大きく低下すると、感染症のリスクが上昇します。

そのため、白血球が低下することに備え、なまものの摂取を禁じられることがあります。

この食事制限、実際はどうなのでしょうか?

 

アメリカ腫瘍学会のガイドラインではマスク着用やなまもの摂取は推奨されず

アメリカ腫瘍学会(ASCO)のガイドラインでは、そのメリットを示唆する証拠の乏しさのために、マスク着用や、白血球減少症のための食事(正確にはNeutropenic Diet―好中球減少症ダイエットーと呼ばれます)は推奨されていないのです。

下記はNeutropenic Dietを解説しているあるサイトです(英語)。

Neutropenic Diet

白血球減少症のための食事は、施設ごとに差異があることが指摘されています。

上のサイトの概要だと、生野菜や寿司・刺身もだめということになっています。

この白血球減少症のための食事が、アメリカ腫瘍学会のガイドラインでは推奨されていないのです。

なお食事もともかく、マスクを白血球減少に備えて着用されている方や、それが医療者より指示されているような場合は存在しますね。

そのようなことは、実は妥当とは言えないのです。

 

骨髄抑制が強い血液がんの治療でも食事制限は有効ではなかった

血液がんにおいては強力な化学療法(抗がん剤治療)が行われます。

そのため、骨髄の抑制は強くなり、白血球減少もしばしば高度となります。

しかし、急性骨髄性白血病の寛解導入療法においても、新鮮な野菜や果物を含む食事を摂取した群と、加熱調理した食事を摂取した群において、感染や死亡で差が出なかったのです。

また、造血幹細胞移植後の時期において、新鮮な野菜や果物を摂取しても、死亡は不変、感染はむしろ新鮮な野菜や果物ありの群のほうが少なかったのです。

他にも、寛解導入化学療法を受けている急性白血病の患者へ、生肉を除いていない通常病院食と、生野菜・新鮮な果物及び生肉を除いた低細菌食を比較した研究でも、感染症に差はありませんでした。

 

小児がん領域でも否定的な結果が

急性リンパ性白血病と肉腫の小児がん患者への、白血球減少症のための食事の効果をみた研究でも、感染の頻度に差はなく、同様に急性骨髄性白血病の小児における抗感染症対策としての好中球減少食の有効性の欠如も別の研究で指摘されています(※ただ低温殺菌されていない生乳や生肉は免疫低下がない人にもリスクがあるとして、その点は推奨しないのを変えていないと言及しています)。

このように白血球減少のための食事には否定的な見解があるのですが、海外の研究でも557人の小児腫瘍専門医の半数以上(57%)が、自施設でその食事療法を実施していると報告されています。

なかなか一度根付いた常識のようなものは変えるのは容易ではないのです。

 

全ての食品が安全ではないが

もちろん全ての食品が安全なわけではありません。

健康人でもリスクがあるような食事は回避するのが好適ではありましょう。

アメリカ食品医薬品局等も白血球減少症のための食事は推奨していなくても、健康人でもリスクがある生卵、生肉、および生の芽のような食べ物は避けたほうが良いとの見解もあります。

例えば糸もやしのような生の芽は、育てる環境がサルモネラ菌やリステリア菌、大腸菌のような細菌の成長のための理想的な栄養環境で、しかもその細菌を除去することが難しいことが指摘されています

 

寿司や刺身に使える生魚は安全性が相対的に高い

アメリカ腫瘍学会の患者向けページでも、がん治療中に避けるべき食品として食品の種類の記載があります。

寿司や刺身に関しては、寿司や刺身に使う生魚は新鮮であるために、他の生魚より安全だが医師と相談することが推奨されています。上記の避けるべき食品はやや厳しめの記載のように感じますが、あえて記されていることから考えて一般に安全性は高いものと考えられます。

 

まとめ

あれもだめ、これもだめ、となってしまうと、本当に食べるものがなくなってしまいます。

抗がん剤治療中は栄養が不足しがちです。

食べたいものができるだけ食べられるようにすることが大切であり、一般に思われていたり指示されていたりするよりも、摂取OKの食事の範囲は広いことが諸研究より示されています。

過剰な制限はメリットがありません。

魚や野菜、果物は健康に良い食品群であり、それはがんの治療中の患者さんにとっても同様です。

下の本でも解説していますが、治療中にも適切な食事を摂るように心がけたいものですし、それが根治や長期生存の可能性を上げることが期待できるでしょう。

がんになっても、なっていなくても1分でも長生きする食事を本にしました。

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