【2020年1月23日更新】
広島県で当院をご利用くださっている方がいるので、調べました。
広島県は医師数は全国平均より多い、人口は多め
広島県は人口あたりの医師数は全国平均より多いです。
ご覧いただけるとわかりますが、医師数は西高東低です。
約282万人の人口を擁し、全国では12位です。
人口あたりのホスピス・緩和ケア病棟数は標準的
日本ホスピス緩和ケア協会の最新統計によると、
緩和ケア病棟入院料を取っている緩和ケア病棟・ホスピスは、全国に415施設、8423床あります(平成30年11月)。
現在人口は1億2649万人います。
1床がカバーしている人口は1億2649万÷8423で、15017人となります。
全国平均では、ホスピス・緩和ケア病棟がカバーする人口は1床で15017人となるのです。
広島で計算してみましょう。
広島の人口282万人を、広島県の緩和ケア病床数の193で割ってみます。
結果は、1床で14611人。
全国平均並のベッド数です。
病院数は11病院で、広島市に多いです。
緩和ケア病棟で亡くなる人の割合は多い
「データでみるわが国の緩和ケアの現状」の2014年版がオンラインでも閲覧できます。
それによると、広島県は、緩和ケア病棟で死亡したがんの患者さんの割合が11.6%と全国平均9.4%より多いです。
同統計で、がんの場合の自宅死亡割合(6.9%。全国は8.9%)と全国平均より低く、人口10万人対の在宅療養支援診療所は19.0(全国では10.1)とかなり多いです。
緩和ケア病棟情報は下記のリンク先にあります。
引用します。
シムラ病院 広島市中区
JR広島病院 広島市東区
県立広島病院 広島市南区
広島パークヒル病院 広島市西区
広島共立病院 広島市安佐南区
安芸市民病院 広島市安芸区
呉医療センター 呉市
公立みつぎ総合病院 尾道市
福山市民病院 福山市
前原病院 福山市
廿日市記念病院 廿日市市
緩和ケア外来はどうか?
「緩和ケア外来 広島」で検索すると、いくつかヒットします。
症状緩和目的の外来を併設していると読み取れる医療機関は、下記になります(2019年4月にGoogleで3ページ目まで検索。入院予約外来のみの緩和ケア外来、訪問診療のみのクリニックは除く)。
県立広島病院/緩和ケア科
緩和ケア内科|広島市立安佐市民病院
緩和ケア外来 | 広島大学
緩和ケア外来|広島赤十字・原爆病院
緩和ケア科|JA広島総合病院
緩和ケア内科|広島医療生活協同組合 広島共立病院
緩和ケア科 – 広島市立広島市民病院
緩和ケア外来・ホスピス | 前原病院|広島県福山市
緩和ケア外来| 呉共済病院
緩和ケア科|呉医療センター中国がんセンター
緩和ケア 石川内科外科クリニック
緩和ケア内科|市立三次中央病院
緩和ケア – 独立行政法人国立病院機構福山医療センター
緩和ケア | 公立みつぎ総合病院
なお、入院予約の面談の外来のみの病院や、緩和ケア外来を明記していない病院は除外しています。
福山医療センターは院外の在宅緩和ケア医に病院緩和ケア外来を委ねるという面白い体制を取っており、他県ですが神戸市立医療センター中央市民病院の院内応援医師制度と似ています。
緩和ケア外来に関しては、概して多いですね。
また広島がんネットによる、広島の緩和ケア情報も有用です。
ひろしまの緩和ケア|県内関係施設 – 広島がんネット | 広島県
先駆的な取り組みだった「広島県緩和ケア支援センター」は2018年に終了したそうです。
また、広島県のがん診療連携拠点病院等の一覧は下記になります。
国指定の11カ所の病院は概ね緩和ケア外来が整備されています。
2019年4月現在、東広島医療センターの緩和ケア外来がなぜかリンク切れです。
尾道総合病院は外来の名称を「がん診療支援外来」としており、その『理由としては、緩和ケアという言葉に「看取り・終末期」といった従来あった負のイメージを払拭し、積極的に利用いただくため』です。興味深いです。実は私も大学病院時代に同じことを試みたのですが、できませんでした。
広島県指定の5病院も、最低限週1回程度の緩和ケア外来を設けている病院も含めて、全病院で緩和ケア外来があるようです。
なお、緩和ケア外来がかかりつけ病院等にあるかどうかは、インターネットで「(病院名) 緩和ケア外来」と検索することで調べることができるでしょう。
あるいは最近の病院サイトはトップページ右上に検索窓が配置されていることが多いので、そこで「緩和ケア外来」と検索しても出て来ます(出てこない場合は、「緩和ケア」や「緩和ケアチーム」の検索語句でチャレンジしてみると良いでしょう)。
また病院のホームページで、診療科→緩和ケア、と読み進めることでも見つけることができます。一覧にない場合は、先述したように「(病院名) 緩和ケア外来」で検索してみてください。前述したようなサイト内検索を使用する必要がありますが、せめて診療科には「緩和ケア」を入れてもらいたいものです。
病院によっては診療サポート部門に位置づけられていることもありますので、くまなく見る必要があります。
まとめ
広島県は人口あたりの医師数は、多めです。
緩和ケア病棟やホスピスは(人口あたりでは)標準的です。
同病棟で最後の時間を過ごされる方は全国平均より多いです。
がんの患者さんは、在宅支援診療所はかなり多いにもかかわらず、在宅療養で最後まで生活される方は多くありません。
病院に関しては、緩和ケア外来は拠点病院等に存在します。
がんで病気が高度に進行した際は、在宅医のサポートを付けて、緩和ケア病棟に入院予約をするのがベスト(個人的意見)ですが、居住地によって、誰にどのように頼むかによって、様々なことが変化します。
※追伸;広島県の医療従事者の方・一般の方で、情報の追加や修正がある場合はぜひお声をお寄せください。