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医療情報

選択過多のがん医療で情報の海を渡り切り長期生存する3つの方法

がん医療での正しい情報の入手法 早期緩和ケアクリニック外来の緩和医療専門医(緩和ケア医)大津秀一解説

―実際、多すぎる選択肢は、わたしたちの経済基盤や健康を損なうことすらあるのだ

シーナ・アイエンガー『選択の科学』(邦訳版、p239)

 

本も読み、インターネットを調べ、患者会で話を聞いた。でも……

こんな声を伺うことがあります。

「本も読み、インターネットを調べ、患者会で話を聞いている。我ながら頑張っていると思います」

私「本当によく勉強していらっしゃると思います」

「でも何だか疲れちゃいました。結局何が正しいのかわからないし、情報がそれぞれ違うんです」

私「そうですね」

何を信じていいのかわからなくて……

 

そう思うのも無理はありません。

それだけ大量の情報が出回っているからです。

またがんは人の数だけ経過があります

もちろん「私の経過」「私の方法」は1つです。

そしてその立場から、良いと思う方法を伝えます。善悪ではなくそれは当然なのです。

すると、多様な経過と、多様な「良さそうなこと」が人の数だけ聞けます

情報としては多くなるばかりなのです。

 

選択肢が多いことのストレスはすでに指摘されている

一般的には、選択肢があったほうが良いことは、それは間違いありません。

しかし、選択肢が多すぎることのストレスもまた、指摘されています

例えば、シーナ・アイエンガーの『選択の科学』では、アメリカの事例で医療保険の選択肢を増やしすぎてわかりづらくなり、結果的に利益がある人まで加入しなかったことなどが挙げられています。

また同掲書で、24種類のジャムの販売と、6種類のジャムの販売では、後者のほうが売上が良かった実験も例示されています。

24種類のジャムでは「選べなくなり」、売上が下がったのです。

比較には、大きな労力を必要とします。

そして選択肢が多いほど、その力はより必要となります。

重い病気を患っているという状況は、しばしば判断力にも大きな影響を及ぼします。

身体的な調子が悪い時などはなおさら、選択による心理的な負荷はこたえます。

先日インターネットを見ていると、このような意見を見かけました。

『昔は「お医者様のいうことは絶対」だったろうし、ネット時代になるまでは、いちいち図書館に行って医者の発言の裏どりする人はあまりいなかったと思うが、今は重い病気ならまずネットで調べるからね。

結果として、正確・不正確入り混じった情報や体験談が患者に入り、意思決定を迷わせることはあるだろうね』

物事には良い点と悪い点が必ずあります

自由に選択でき、情報も自由に発信されるようになった時代(そしてまたメディアは己が生存するために情報を流し続けなくてはいけない時代)、私達は多い情報と選択のストレスを負うことになったと言えそうです。

 

ではがん医療の場合、情報と選択の過多をどう乗り切るか?

ではどのようにしたら良いのでしょうか?

よい方策を皆さんと考えましょう。

1 がん情報サービスを利用する

まずは、自分が患っている病気に関しての、基本的かつ正しい情報をまずは入手することです。

幸いにして、がん領域では、国立がんセンターの「がん情報サービス」が充実しています。

まずは自身の患っている腫瘍についてこれを熟読することからです。

がん情報サービスの「緩和ケア」の項目はややあっさりとしているので、緩和ケアに関してはがん情報サービスにプラスして、私の作成したがん別緩和ケア情報も基本的情報だと思います。

がんの種類別緩和ケアをまとめました

(※なお、がん以外の緩和ケアについてはこちらです)

 

次に大切なのはこちらです。

2 主治医に自分のがんについて徹底的に聴く

一般的に、病院の医師は時間がありません。

また気持ちにどれだけ配慮してくれるかは、差があります。

ただシステム上やむを得ない側面もあるのは否めません。

がんは非常に個人差がある病気であり、自身のがんに何が最良かは、人それぞれ異なります。

したがって、個別化された情報は、担当医から得るのが最も良いことになります。

この時に、1で「基本」の情報を得ていることが役に立ちます。

それと異なることがあれば、質問もできます。

質問の仕方なのですが、特に重要な情報を得るときには(治療法の選択など)、疑問点を列挙して(紙やパソコンに)記載し、自身が大切だと思う順番に並べ替えてください(その点ではパソコンで作成したほうが良いかもしれません)。

完成したものを、2部作成して、1つは医師に渡して、1つは手元に持って質問するという方法が考えられるでしょう。

もちろん、それがなくても大丈夫! という方はなくても良いかもしれませんが、意外に大事なことを聞き忘れるというのは誰にもあるものです。

私の外来のように時間が取れる外来では、自由にリラックスして、思うままに話して質問して頂くのが良いですが、病院の治療医との外来は真剣勝負で時間との闘いです。

上記のようなテクニックが有効だと考えます。

 

3 主治医以外にも正当な情報を得られる場を確保する

1のような基本的な情報を得ていれば、一般的なことと、2で勧められたことに違いがあれば、質問しやすいです。

しかし担当医が勧める治療に関して、一般の方がしばしば判断するのが難しいのは当然のことです。

実際に私自身も専門分野以外で手術を受けたことがあり、文献も調べて正誤を判断し、ようやく理解できました。

医師でも専門分野以外はそうです。

(1と2をしっかり行ったという前提で)にわかに判断つかないのは、勉強不足ではなく当然です。

そこで大切になるのが、「確認」の作業です。

一般的には、セカンドオピニオンを求めるということが考えられましょう。

セカンドオピニオンについては、緩和ケアのわかりやすい情報を提供するサイト『早期緩和ケア相談所』で、東京の有名病院のそれについては記しています。

セカンドオピニオン(がん)を行う病院と料金・費用について

東京以外でも「(お住まいの県) セカンドオピニオン 外来」などでGoogleやYahoo!等で調べれば、見つかるでしょう。

時期や場所が許すならば、公開セカンドオピニオンもお勧めです。

がん治療の虚実(押川勝太郎先生)ページのメッセージボードやブログ記事参照

また、一般的なセカンドオピニオンは、治療法などの大きな決断が必要な際に、単発で求めにゆくものです。

私が行っている早期緩和ケア外来は、定期的かつ継続的な受診を前提にしています。

早期緩和ケアについての説明

すると、受診毎にセカンドオピニオンを求めることができるとも言えましょう。

繰り返し何回も聴くことができると言えます。

そのような使い方もできるのです。

主治医に聞き忘れたことや、端的な言葉の背景にある意味を尋ねることができます。

インターネットの情報は、良いものもたくさんありますが、基本は「不特定多数」へのものです

個別化された情報を得るためには、医師を活用することが大切です。

担当医とのコミュニケーションが重要なのもその点からですし、そうはいっても担当医以外の適切な医師のサポートを受けることが、様々な落とし穴を回避することに役立つでしょう。

そうはいっても、自称専門家や、怪しく高額な治療に誘う医師もいることは否めず、サポートの医師を正しく選択することは極めて重要になります。

そのようなこともついてもまたいずれ触れたいと思います。

 

まとめ

選択過多のがん医療で情報の海を渡り切り長期生存する3つの方法は、

1 がん情報サービスを利用する

2 主治医に自分のがんについて徹底的に聴く

3 主治医以外にも正当な情報を得られる場を確保する

です。ご参考になれば幸いです。

 

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