症状が軽いのに、不安だけが強くなることがあります
がんと診断されても、
- 痛みはほとんどない
- 日常生活は送れている
- 検査結果も「今は安定している」と言われている
それでも、
不安だけが頭から離れないという方は少なくありません。
「この程度で不安になるのはおかしいのでは」
「周りからは大丈夫そうに見えるのに、気持ちがつらい」
そう感じて、誰にも相談できずにいる方も多いのが現実です。
「症状が軽い=気持ちも楽」ではありません
医療の現場では、どうしても
症状の重さ=つらさ
と考えられがちです。
しかし実際には、
- 先が見えないこと
- 情報が断片的にしか入ってこないこと
- 将来を想像してしまう時間が増えること
こうした要素が重なり、
症状が軽い時期ほど不安が強くなることがあります。
これは決して、弱さでも甘えでもありません。
「まだ大丈夫」という言葉が、逆につらくなる理由
主治医から
「今は大丈夫ですよ」
「まだ治療は順調です」
そう言われること自体は、医学的には正しい説明です。
ただしその一方で、
- では、この先はどうなるのか
- いつ相談すればいいのか
- 不安は我慢するしかないのか
こうした疑問が置き去りになると、
安心するどころか、不安が行き場を失ってしまうのです。
不安は「解決すべき症状」ではなく、「整理すべき状態」です
多くの方が誤解していますが、
不安は「なくすもの」ではありません。
特にがんという病気においては、
不安があるのは自然な反応です。
大切なのは、
- 何が不安なのか
- どこまでが現実で、どこからが想像なのか
- 今、考えなくていいことは何か
それを一緒に整理していくことです。
症状が軽い今こそ、緩和ケアが役に立つことがあります
緩和ケアは、
「痛みが強くなってから行く場所」
「治療が終わった人のためのもの」
そう思われがちですが、実際には違います。
- 気持ちの整理がつかない
- 将来の見通しが不安
- 誰に何を相談すればいいかわからない
こうした“まだ大きな問題になっていない段階”こそ、
緩和ケアが力を発揮する場面です。
「この程度で相談していいのか」と迷っている方へ
緩和ケア外来には、
- 症状がほとんどない方
- 治療が始まったばかりの方
- 「不安だけが強い」という理由の方
も多く来られています。
不安が強くなってから慌てて相談するよりも、
迷っている段階で立ち寄ることのほうが、
結果的に楽になることが少なくありません。
まとめ
症状が軽いのに不安が強いのは、
あなたの心が弱いからではありません。
それは、
- 情報と感情の整理が追いついていない
- 先の見えなさに一人で向き合っている
という、誰にでも起こりうる状態です。
「まだ大丈夫」と言われている今だからこそ、
一度立ち止まり、気持ちを整理する時間を持ってもいいのです。



















