主治医に不満はないのに、なぜかつらい
がん治療を受けている方の中には、
- 医師は丁寧
- 説明も一応理解できている
- 特に失礼な対応をされたわけでもない
それでも、
診察のあとにモヤモヤが残る
話したいことが言えなかった気がする
そんな違和感を抱えている方が少なくありません。
「信頼できない」と感じるのは、医師が悪いからではありません
多くの方が、
「こんなふうに感じる自分がおかしいのでは」
と自分を責めてしまいます。
しかし実際には、
主治医との関係性に違和感を覚えること自体は、自然でしばしばあることです。
それは、医師の能力や人柄の問題ではなく、
役割と距離感のズレから生じることも多いからです。
主治医は「治療の専門家」、あなたの気持ちの専門家ではない
主治医の主な役割は、
- 病状の評価
- 治療方針の決定
- 検査結果の説明
です。
一方で、
- この説明をどう受け止めればいいのか
- 本当はどこが一番不安なのか
- 家族との関係や生活への影響
こうした部分まで丁寧に扱う時間は、
どうしても限られてしまいます。
その結果、
「話は聞いたが、気持ちは置き去り」
という状態が生まれやすくなります。
話しづらさの正体は「遠慮」と「役割の誤解」
主治医との関係がつらくなる背景には、
次のような気持ちが重なっていることがよくあります。
- 忙しそうだから聞けない
- こんな質問をしていいのかわからない
- 医師を疑っていると思われたくない
その結果、
聞きたいことほど口に出せなくなるのです。
これは患者さんの問題ではなく、
医療構造上、誰にでも起こりうることです。
「主治医を変える」前に知っておいてほしいこと
関係性に悩むと、
「病院を変えたほうがいいのか」
「主治医を替えるべきか」
と考える方もいます。
もちろん、それが必要なケースもあります。
ただ多くの場合、問題は
医師そのものではなく、相談の“場”が足りていないことにありま
緩和ケアは「主治医との間を整理する場所」でもあります
緩和ケア外来では、
- 主治医の説明を一緒に整理する
- 何が不安で、何が引っかかっているのかを言語化する
- 主治医にどう伝えればいいかを考える
といった関わりを行います。
主治医の代わりに治療を決める場所ではありません。
主治医との関係を壊さず、整えるための場所です。
「信頼できない」の正体は、情報ではなく感情の未整理
主治医の説明が間違っているわけでも、
対応が悪いわけでもない。
それでもつらいと感じるとき、
問題の多くは
理解不足ではなく、感情の整理不足にあります。
それを一人で抱え続ける必要はありません。
まとめ
主治医との関係がつらいと感じることは、
がん治療を受ける多くの方が経験する、ごく自然なことです。
大切なのは、
- 我慢し続けることでも
- いきなり関係を断つことでもなく
間に立って整理できる場所を持つことです。
「この違和感、誰に相談すればいいのか」
そう感じたとき、緩和ケアはその選択肢の一つになれます。















