がんや慢性の病気によるつらい症状や痛み、不安を和らげる緩和ケアを、患者さんとご家族に専門家の医師が提供する緩和ケア外来クリニック。病気の進み具合を問わず受診できます。遠隔診療(オンライン診療)にも対応しており、診療所は東京の椿山荘の近くにありますが、再診以降は全国どこにお住まいでもスマートフォン等を用いたビデオ通話で診察・処方を受けることもできます(処方を伴わない相談は初回から遠隔対応も可能)。緩和ケアといえば当院にご相談ください。【診療科:緩和ケア内科・疼痛緩和内科・がん内科・がん精神科】

医療用麻薬

骨転移、がんからの骨折の痛みには医療用麻薬

痛みからの解放 早期緩和ケア大津秀一クリニック外来

骨に転移したがんで痛い。骨折で痛い。どうしたら良いか?

進行がんで痛みが生じるのは、非常によくあることです。

また進行がんの転移先として、骨は一般的です。

骨転移といい、骨転移痛を起こします。

骨転移痛はしばしば激烈となり、耐え難い痛みを形成します。

また、骨転移は骨を脆くさせ、骨折を起こしやすくさせます。

骨折も、しばしば見かける病態です。

そして骨折も強い痛みを発生します。

これらの痛みは、特に動かした時に増えるという特徴があります。

ただ強い場合は安静時にも痛いし、僅かな体動でも激痛となることがあり、夜も眠れない原因となります。

しかも、骨転移も、その痛みも、骨折も、複数箇所に起こる可能性があります。

すると場所も増え、いよいよ患者さんにとって大変になります。

痛みを和らげる手段はないのでしょうか?

もちろんあります。

 

緩和ケアや医療用麻薬を先入観で決めつけないとメリットあり

耳学問というものは役に立つこともあります。

ただ、発する人(や発する内容)によって情報の信頼度が異なるのは、世の中では当たり前のことです。

「緩和ケアチームですが」

大学病院でそうご挨拶をすると、病気になって間もない患者さんは「えっ?」

しかし

「緩和ケアってなんですか?」

「聞いたことはありませんか?」

「全く知りません」

―このような場合は、実はそれほど難しくありません。

それは、変な先入観が全くないからです。

刷り込みなく、症状を緩和し、不安に対処してくれる、あるいはその方法を教えてくれるのが緩和ケアだと理解することができます。

これがいつからか―

「緩和ケアチームですが」

「え? 緩和ケア? 自分が終末期ってこと? ……落ち込むなあ」

こうなってしまいます。

なぜでしょうか。

病気が進むと、誰かが「緩和ケア=終末期」という一面的な情報を与えてしまいます。

確かに、終末期も診るのが緩和ケアです。

しかし、早期からも診ます。

ただ旧来の理解からの情報に患者さんは常にさらされるため、このように次第に誤解が生まれてしまうのです。

大切なのは、必要な時に、必要な薬剤が使用されることです。

がんの骨の転移や、それに伴う骨転移痛や骨折による痛みで、我慢する意味は1つもありません

痛み止めを使うことで、命を縮めたりもしません

極めて不快な痛みを和らげることが、得られる効果です。

 

痛み止めは合わせ技で治療 モルヒネなど医療用麻薬はその一翼を強力に担う

モルヒネなどの医療用麻薬は優れた痛み止めです。

全ての痛みの感覚をゼロにするわけではありませんが、痛みを脳に伝える経路の要所々々で働いて、痛みを低下させます。

私達が一般的に日常で使用する可能性がある痛み止めは、炎症を抑えるものです。

炎症を抑えて、痛みを緩和します。

しかしがんの骨転移や、がんによる骨折の痛みは、炎症がとても強く、たとえ炎症を抑える一般的な鎮痛薬で緩和しようとしても、容赦なく大きな痛みの信号が脊髄を通って脳に伝わっていき、強烈な痛みの感覚として自覚されるのです。

そこをブロックする重要なメカニズムを持つ薬剤の集団が医療用麻薬です。

ただし、神経の全てを遮断するという意味ではもちろんないため、麻酔薬とは異なり、触った感覚などの知覚は保たれます。

骨転移痛や骨折の痛みはなかなか手強い痛みの種別に属し、一つの鎮痛薬で劇的に良くなるということは必ずしも多くありません。

そのような場合は、薬剤を組み合わせて治療に当たることもあります。

どのような薬剤も副作用はありますが、もとに戻らない障害を起こすような重大な副作用はまずありません。

医師とよく相談し、良い治療を受けて頂ければと存じます。

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