早期緩和ケア大津秀一クリニックではがんや慢性病のつらい症状や痛み、不安を早期からの緩和ケア外来で末期に限らず専門医大津秀一が全国対応。遠隔相談可オンライン対応緩和ケア外来で東京文京区所在。病気の進み具合や種類を問わず早期受診できます。スマートフォン等を用いたビデオ通話で相談することもできます。内科専門医でもあり身体全般に詳しいです。緩和ケア・緩和医療といえば当院にご相談ください。【診療科:緩和ケア内科・疼痛緩和内科・がん内科・がん精神科】

がんと精神・心理

がんの悪い経過のブログばかり読んでしまって、不安が止まらないとき

早期緩和ケア大津秀一クリニック外来の待合室

夜、スマートフォンを手に取り、
「がん 経過 悪い」
「がん 余命 ブログ」
そんな言葉で検索し、体験談を読み続けてしまう。

読めば読むほど不安になるのに、
やめた方がいいと分かっているのに、
それでも指が止まらない――。

このような状態に悩んでいる方は、実はとても多くいらっしゃいます。

まずお伝えしたいのは、
それはあなたが弱いからでも、心が未熟だからでもありません。

がんという病気を前にすると、人は自然と「最悪の未来」を確認したくなるものなのです。


なぜ「悪い経過のブログ」ばかり読んでしまうのか

がんと診断されると、頭の中にはたくさんの不安が生まれます。

  • この先どうなるのか
  • 治療はうまくいくのか
  • 自分はどこまで生きられるのか

その不安に対して、人は「答え」を探そうとします。
その結果、インターネット上の体験談やブログにたどり着きます。

ところが、ネット上にはうまくいった経過より、つらかった経過の方が多く残りやすいという特徴があります。

  • 気持ちが整理できず、書き残されたままの記録
  • 苦しい思いを誰かに伝えたくて綴られた文章

それらは決して間違いではありません。
しかし同時に、とても偏った情報でもあります。


他人の経過は、あなたの未来ではありません

ここがとても大切な点です。

ブログに書かれている経過は、
・病気の種類
・進行の速さ
・治療内容
・体力や年齢
・医療環境

そのすべてがあなたとは異なります

それでも、人は不安が強いときほど、
「悪い話」を自分に当てはめてしまう傾向があります。

その結果、

まだ起きていない未来を、
すでに起きた出来事のように感じてしまう

という状態に陥ります。


「調べてしまう自分」を責めないでください

「こんなブログを読むから不安になる」
「やめなきゃいけないのに」

そう自分を責めてしまう方も少なくありません。

ですが、不安なときに情報を探してしまうのは、
心を守ろうとする自然な反応です。

大切なのは、
「読む・読まない」ではなく、
今の不安がどこから来ているのかを整理することです。


不安が強いときは、治療の判断も難しくなります

強い不安を抱えたままでは、

  • 主治医の説明が頭に入らない
  • 治療の選択肢を冷静に考えられない
  • 本当は聞きたいことが聞けない

といったことが起こりやすくなります。

これは気合いや努力の問題ではありません。
人の脳は、不安が強いときには判断力が揺らぐようにできています


こういうときこそ、緩和ケアの出番です

緩和ケアというと、
「治療をやめるとき」
「最期の医療」
と思われがちですが、実際は違います。

緩和ケアは、

  • 痛みや症状だけでなく
  • 不安や恐怖、心のつらさ
    にも向き合う医療です。

「この不安はどこから来ているのか」
「今、何が一番つらいのか」

それを一緒に整理することで、
検索に振り回されない状態を取り戻すことができます。


今すぐ決断しなくても大丈夫です

もし今、
ブログを読み続けてしまうほど不安が強いなら、
それは「誰かと一度、立ち止まって話すタイミング」なのかもしれません。

今日、何かを決める必要はありません。
治療を変える必要もありません。

ただ、不安を一人で抱え続けないこと。
それだけで、心の負担は大きく変わります。


この記事を読んでくださったあなたへ

あなたが感じている不安は、
「気のせい」でも「考えすぎ」でもありません。

もし、誰にも言えない不安を抱えているなら、
一度、緩和ケアという選択肢があることを思い出してください。

Pocket

迷っている方へ

迷っている方へ

がんと診断されたあと、
「今すぐ何かを決めなければいけない」
「でも、何をどう考えればいいのかわからない」

そんな状態でこのページをご覧になっている方も
多いのではないでしょうか。

このページでは、
・治療を続けるか迷っているとき
・主治医の説明がつらかったとき
・家族のほうが先に不安になっているとき
・緩和ケアのタイミングがわからないとき

「すぐ決めなくていい問い」を、
ひとつずつ整理しています。

ここまで読んでも、
「まだ自分が相談していいのかわからない」
そう感じている方もいらっしゃると思います。

それで大丈夫です。

もし、
・一度、状況を整理したい
・主治医とは別の視点で話を聞いてみたい

そう思われたときには、
早期緩和ケア外来・オンライン相談という選択肢もあります。

無理に決める必要はありません。

受診・相談はこちらから