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抗がん剤治療 緩和ケア

ケモブレインとは何か 抗がん剤治療中後に起こる症状と治療【2019年最新版。専門医解説】

抗がん剤治療のケモブレインを早期緩和ケア大津秀一クリニック院長が解説

ケモブレインとは?

ケモブレインとは、ケモ=化学療法=抗がん剤治療と、ブレイン=脳が合わさってできた言葉で、抗がん剤治療中や後に記憶力や思考力、集中力等が一時的に低下する症状のことを言います。

抗がん剤治療の進歩により「苦しみを増す一方でたいして延命もされない」という状況は過去のものとなっています。

抗がん剤治療がうまく効けば、副作用は一定程度出現しますが、それ以上に「がんの症状も抑えられ」かつ「長期に生存できる」という状況になっています。

全身状態が悪くない限りにおいては、何もしないよりも抗がん剤治療を行ったほうが「元気で長生きできる」というのが当たり前になって来ています。

一方で、そこに影を投げかけるのがケモブレインです。

より詳しく説明していきましょう。

 

ケモブレインの頻度と原因は?

発生頻度は17~70%とされますが、はっきりとわかっていません。

がんの場合、ケモブレインでなくても、自然な変化や他の原因で精神症状が出現することもあるため、判断が難しいことは否定できません。

なぜケモブレインが起きるのかということですが、抗がん剤が脳に作用することによって、神経新生および神経伝達物質の障害や、脳血流や脳脊髄液の変化、海馬の機能低下などが原因となって起こるとされていますが、詳しい解明はまだまだです。

またケモブレインに限らず、がんの患者さんには記憶障害等を来たす要素が複数存在します<参考;メイヨー・クリニック chembrain

がん治療

骨髄移植
化学療法
ホルモン療法
免疫療法
放射線療法
手術
標的薬物療法

がん治療の合併症

貧血
疲労
感染
更年期障害または他のホルモンの変化(がん治療による)
睡眠障害
がん治療による痛み

その他の原因

ケモブレインに対する遺伝的感受性
鎮痛剤など、他のがん関連の徴候および症状に対する薬物療法
糖尿病、甲状腺の問題、うつ病、不安、栄養不足などその他の病状

 

がん患者の認知機能障害にはケモブレインよりもPTSD(心的外傷後ストレス障害)が影響しているのではないかと示唆する仮説もあります。

ケモブレインと決めつけることなく、よく担当医や緩和ケア医、がんに詳しい精神科医と相談することが大切です。

 

ケモブレインの症状は?

次のようなものが挙げられます。

・記憶の障害(例;以前ならばたやすく思い出せたことが、思い出せない)

・集中力に問題(例;していることに集中できず、短い時間しか注意を払えない)

・名前、日付、出来事などの詳細を思い出せない

・同時に複数のことができなくなる

・物事を完了するのに時間がかかる(混乱したり、思考がゆっくりになったりする)

<参考 ; American Cancer Society ; Chemo Brain

これらの様々な症状が出現する可能性があります。

 

どのような人がなりやすいのか?

一般的には次のようなものが挙げられます<参考;メイヨー・クリニック chemobrain>。

・脳腫瘍
・脳転移
・高用量の抗がん剤治療または放射線治療
・脳への放射線療法
・がんの診断および治療時の年齢が若い
・加齢

また、特定の遺伝子存在者でのリスク増加が指摘されています。

例えば、乳がん経験者での研究では、ケモブレインがアルツハイマー病に関連するAPOE4遺伝子を保有する女性のみで現れる可能性について示唆されています。

この研究では、APOE4遺伝子を保有していても(抗がん剤治療ではなく)「ホルモン療法」では認知機能低下はありませんでした。

さらに「乳がん生存者のほとんどで化学療法やホルモン療法を受けた後に、治療を原因とする長期的な認知機能の低下はみられなかった」とのことです。抗がん剤治療を行っても長期にケモブレインが出現するとも限らないわけですね。

 

どれくらい経つと改善するのか?

基本的には一過性であるとされています。

そして症状は時間とともに大幅に改善する一方で、抗がん剤治療後5年以上が経過しても症状が継続する可能性も示唆されています<ケモブレインが起きた患者の多くは5年以内に回復する>。

化学療法後5年の間に、サバイバーは認知機能のほとんどを回復することができた。しかし、言語想起(“喉まで出かかっているような”既知の単語を思い起こす能力)に関しては、他の機能よりも回復することが難しかった。 言語流暢性および実行機能(計画や準備をする等の能力)のようないくつかの機能は、化学療法後5年の間に改善がみられた。その一方で、運動技能は期間中に改善しなかった。 化学療法実施から5年後、GDSスコア【筆者注; Global Deficit Score】で軽度またはそれ以上の障害が示されたのは、対照群の19.7%と比べて癌サバイバーでは41.5%であった。

 

ケモブレインの予防と治療は?

予防に関しては、残念ながら、明らかな方法はわかっていません<American Cancer Society ; Chemo Brain>。

治療薬に関しても、日本では特に使える薬剤はありません。ただ海外でも薬物治療よりも次のようなものが中心であるようです<参考;MDアンダーソンがんセンター Chemobrain及び前掲のAmerican Cancer Society文献>。

運動: 5分間の軽度から中程度の活動でも、精神機能が改善する可能性

記憶の補助:スマートフォンなどを活用する

疲労と睡眠の問題を解決:疲労と睡眠障害によってケモブレインの症状が悪化。休息と睡眠が大切。

うつ病と不安の対処:これらの病態の緩和でも症状改善

集中力を高める配慮:防音の環境は注意散漫を減らし、集中力を高めることができる

脳トレを行う:単語パズルをしたり等

他に「野菜を食べる」「ルーチンを決める」「同時に複数のことをするのを避ける」「必要なときに助けを求める」「症状に集中し過ぎない」などが挙げられます。

認知リハビリテーションを行って改善傾向が認められたとの研究もあります。

 

まとめ

ケモブレインに限らず抗がん剤治療中の患者さんは抑うつや不安等が増悪しての精神症状出現可能性もあります。

独りでじっと耐えていると余計に悪化するかもしれません。

担当医や医師以外のスタッフにも普段から症状に関してよく相談し、精神症状や認知機能の変化を自覚するようでしたら早めに専門家に相談しましょう。

緩和ケア医やがんに詳しい精神科医などが専門的な相談先としてまずは考えられるでしょう。

 

 

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