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免疫療法 緩和ケア

テセントリク・ベージニオ・アルペリシブの乳がんでの効果

早期緩和ケアクリニック外来の緩和医療専門医(緩和ケア医)大津秀一が解説するアテゾリズマブ・アベマシクリブ・アルペリシブ

【2020年2月8日更新】

アテゾリズマブ・アベマシクリブ・アルペリシブ

まるで呪文のようなフレーズですが、この「ア」で始まり、「ブ」で終わる名前、全て最近話題になっているがん治療薬なのです。しかも、系統が全部違います。ややこしい。

なおこの3薬が関係するがんは、「乳がん」になります。

これら3薬について詳しく解説していきます。

 

アテゾリズマブ

アテゾリズマブは3つの名前の中で、最もご存知の方が多いのではないでしょうか。

商品名はテセントリク

免疫チェックポイント阻害薬で、日本初の抗PD-L1抗体です。

2018年11月現在の適応症は

切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌

非小細胞肺がんに対しては、ドセタキセル(タキソール)と比べて、全生存期間(OS)中央値は13.8カ月対9.6カ月<ハザード比0.73、95%Cl:0.62-0.87>で有意差を認めています。

進行・再発非小細胞肺がん適応にてテセントリクが承認取得~免疫チェックポイント阻害薬として3剤目~

(2018年現在の)最近では、アテゾリズマブ+シスプラチンまたはカルボプラチン+ペメトレキセド(アリムタ)で、アテゾリズマブを足した群で化学療法単独群と比較し、無増悪生存期間(PFS)=7.6カ月 vs 5.2カ月【ハザード比[HR]=0.60, 95%CI: 0.49-0.72; 層別log-rank検定 p<0.0001】と有意差を認めています(中間解析)。

テセントリク®とペメトレキセドおよび白金製剤ベースの化学療法の併用は未治療の特定の進行肺がん患者さんの病勢進行または死亡リスクを低下

そして、今回は乳がんでの効果を示す結果が出ました。

乳がんの中でも、トリプルネガティブの場合ですね。

トリプルネガティブ乳がん患者に対する抗PD-L1抗体薬テセントリクとアブラキサン併用療法が有効

未治療の転移性または局所進行切除不能トリプルネガティブ乳がんの患者さんに対して、無増悪生存期間で有意差があり、またPD-L1発現率1%以上の群における全生存期間中央値がアテゾリズマブ(テセントリク)併用群で良い傾向があります。

ファーストラインの治療の研究なので、今後治療方針の変化可能性がありますね。

 

アベマシクリブ

アベマシクリブは、11月20日に薬価収載の新薬です。

商品名はベージニオ

サイクリン依存性キナーゼ4/6(CDK4/6)阻害薬で、「エストロゲンレセプター陽性・HER2陰性乳がん」の細胞増殖を抑えることが期待されます。

参考;ホルモンレセプター陽性乳がん治療の最近の話題 –CDK4/6 阻害薬–

類薬ではすでにパルボシクリブ(商品名イブランス)が出ています。

しかし投与法が違いますね。

ベージニオ(アベマシクリブ)は通常1回150mgを1日2回経口投与ですが、イブランスは通常1日1回125mgを3週連続投与後1週間休薬の1サイクルとなっています。

イブランスは好中球減少(80.2%)、白血球減少(46.8%)と骨髄抑制の副作用がありますが、ベージニオも好中球減少(44.0%)、白血球減少(25.1%)と同じ副作用がありますね。またベージニオは重度の下痢(11.7%)の出現可能性があります。

アベマシクリブ+フルベストラントの併用療法は、プラセボ+フルベストラントの対照群と比較して無増悪生存期間が統計学的に有意に改善されています。

 

 

アルペリシブ

アルペリシブはまだ発売されていません。

アルペリシブはホスファチジルイノシトール3キナーゼ(PI3K)の阻害薬です。

PI3K経路が活性化すると薬剤への耐性が形成されます。それを防ぐのですね。

エストロゲンレセプター陽性・HER2陰性乳がんを対象にアルペリシブ+フルベストラント(フェソロデックス)を評価したSOLAR-1試験で、

欧州臨床腫瘍学会 ESMO 2018 速報版レポート ~SOLAR-1試験~

PIK3CA突然変異がある患者においては無増悪生存期間中央値が、アルペリシブ群で11.0ヵ月、プラセボ群では5.7ヵ月でした。

PIK3CA突然変異を伴わない患者では、無増悪生存期間は差がなかったようです。

アルペリシブの副作用では高血糖が高い頻度で認められるとのこと。これまでにあまりないものですね。

高血糖は51%という報告があります。吐き気や下痢等の消化器症状も多めのようですね。

 

 

まとめ

治療選択肢がどんどん増えてきています。

治療が奏効している間は、症状の出現も抑えられます。

その点で、副作用少なく、あるいは副作用がマネジメントされて、円滑に治療が継続できることも重要です。

治療及びその副作用対策も緩和の一環です。

 

 

 

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