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膵臓がん 緩和ケア

膵臓がんにリムパーザ(オラパリブ)は奏効するか?

早期緩和ケアクリニック外来の緩和医療専門医(緩和ケア医)大津秀一が解説する膵臓癌のリムパーザ治療

膵臓がんにリムパーザが奏効すると話題になっています

膵臓がんにリムパーザが奏効すると話題になっています。

2019年6月、権威ある医学雑誌のNew Englnad Journal of Medicineに論文が発表されたためです。

リムパーザは同6月現在、日本では卵巣がんと乳がんに対して使用されています。

これまで何回か紹介しています。

リムパーザ等はPARP阻害薬です。

PARP阻害薬のPARPとは、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)です。

BRCA遺伝子という遺伝子に異常があると、損傷したDNAの修復ができず、がん化率が高くなります。

ただこのBRCA遺伝子に異常があったとしても、PARPの作用でDNAの損傷が修復されます。

リムパーザ(PARP阻害剤)によってPARP機能を妨げることで、DNAの損傷を修復できなくなり悪い細胞が死ぬ……というメカニズムで働きます。

副作用は、悪心66.7%、貧血39.0%、疲労29.7%、嘔吐25.6%、無力症24.1%、味覚異常23.1%等が挙げられます。

リムパーザは600mg/日なので、薬価は(23730円/日×保険の割合)が1日にかかります。もちろん高額療養費制度を使用して上限を抑えることができます。

 

 

転移性膵臓がんにリムパーザが奏効

それでは論文を見ましょう。

Maintenance Olaparib for Germline BRCA-Mutated Metastatic Pancreatic Cancer

転移性膵臓がんの患者さんで、プラチナ系製剤使用後の維持療法としてリムパーザが使われています。

全生存期間の中間解析では、差は認められていません

一方で、無増悪生存期間(PFS)は差が出て、リムパーザ群7.4ヶ月vsプラセボ群3.8ヶ月でした。

また、病気が進行しなかった患者さんの割合は、2年後でリムパーザ群22%vsプラセボ群10%となります。

ただし、対象がポイントです。

これらはあくまでBRCA1 か BRCA2 の変異がある膵臓がんの患者さんを対象としています。

したがって、全部の膵臓がんの患者さんには効くとは言えないわけです。

では当てはまる方はどれくらいいるのでしょうか?

 

膵臓がんでBRCA1かBRCA2の変異がある患者さんは5~9%

リムパーザを発売しているアストラゼネカがさっそくホームページを作っています。

https://www.brcainpanc.com/

「Approximately 5% to 9% of patients with pancreatic cancer have a BRCA1/2m」

とあり、5~9%程度なのですね。

またBRCA遺伝子異常を持つ方は人口の中のどれくらいいるのでしょうか?

これは、人種によってだいぶ異なるようです。

例えば、ユダヤ人でもアシュケナージ系ユダヤ人は40人に約1人の一方で、非アシュケナージ系ユダヤ人では400人に1人から800人に1人と差があるとのことです<https://www.pancan.org/news/5-things-know-brca-mutations-pancreatic-cancer/>。

肝腎の日本人における変異の頻度は明らかではないようですが、最近になり、非アシュケナージユダヤ人よりは日本人のほうが頻度が高いのではないかとしている報告があります<Genetic and clinical characteristics in Japanese hereditary breast and ovarian cancer: first report after establishment of HBOC registration system in Japan>。

 

BRCA遺伝子異常者の膵がんリスクは2倍

BRCA遺伝子異常者の膵がんリスクは2倍になるという指摘もあります<The incidence of pancreatic cancer in BRCA1 and BRCA2 mutation carriers>。

それぞれの遺伝子異常に特化した治療が次々と開発されており、リムパーザ等のPARP阻害薬も一定の患者さんにとっては選択肢となるでしょう。

なお、2022年までにリムパーザの年間売上高は約22億ドル(約2400億円)に達するとも報じられています。

 

膵臓がんにリムパーザのまとめ

リムパーザは元々BRCA遺伝子異常が存在する患者さんへ良い効果を期待できる薬剤です。

膵臓がんの中にも、BRCA遺伝子異常がある患者さんは5~9%程度存在するとのこと。

2019年6月、有名な医学雑誌に効果を示す論文が出たので、今後時間をかけて日本でも使用可能となることが予測はされます。

現状、膵臓がんは相対的に治療選択肢が豊富なわけではなく、少しでも使用できる薬剤が増えるのは良いことではあるでしょう。

 

 

 

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