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卵巣がん 緩和ケア

オラパリブ(リムパーザ)・ルカパリブ・ニラパリブの効果

早期緩和ケアクリニック外来の緩和医療専門医(緩和ケア医)大津秀一が解説するオラパリブ・ルカパリブ・ニラパリブ、リムパーザと卵巣がん・卵巣癌、乳がんの緩和ケア・緩和医療・支持療法、抗がん剤(抗癌剤)対策

オラパリブ・ルカパリブ・ニラパリブ!

少し前、

アテゾリズマブ・アベマシクリブ・アルペリシブ!

の解説をしました。

上記は乳がんの新薬でした。呪文のようですね。

今日は、オラパリブ・ルカパリブ・ニラパリブ! です。

早口言葉を彷彿とさせます。

このうちオラパリブは商品名リムパーザで2018年に発売されています。

これらは卵巣がんの新薬群です。

なお、卵巣がん一般については、下記のがん研有明病院のサイトがよくまとまっています。

卵巣がん/がん研有明病院

 

 

オラパリブ等はPPAP……ではなくPARP阻害薬

オラパリブ等はPARP阻害薬です。

数年前に日本を席巻したPPAP(Pen-Pineapple-Apple-Pen)に似ていますが、違います(←当然です)。

PARP阻害薬のPARPとは、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)です。

上述のがん研有明病院のサイトから引用します。

オラパリブはプラチナ感受性再発卵巣がんに対し、カルボプラチンを含んだ抗がん剤を行い、治療効果が得られた卵巣がんに対し、その後もよい状態を維持するために用いる飲み薬です。オラパリブの服用は、抗がん剤治療が終わってから始めます。卵巣がん細胞では遺伝子(DNA)修復に関係する仕組みのひとつが働いていないことが多くありますが、残った一方の仕組みでDNAを修復することできれば、がん細胞は生き残ることができます。リムパーザは、DNAの修復の仕組みの1つを働かないようにする薬です。ただし正常な細胞では修復の仕組みが片方残るため、細胞は生存できます。オラパリブが、もともと片方しか修復の仕組みが働いていなかったような卵巣がん細胞に作用した場合には、DNA修復の仕組みが両方とも働かなくなるため、DNAの傷は修復されずに細胞死に至ります。オラパリブに頻度の高い副作用は吐きけ、貧血、疲労などで、まれに間質性肺疾患が現れることがあります。

DNAの修復の仕組みの1つを働かないようにする薬がPARP阻害薬です。

副作用は、悪心66.7%貧血39.0%疲労29.7%、嘔吐25.6%、無力症24.1%、味覚異常23.1%等です。

医療用医薬品 : リムパーザ

オラパリブ(商品名リムパーザ)は600mg/日なので、薬価は(23730円/日×保険の割合)が1日にかかります。

 

オラパリブの効果のほどは?

BRCA遺伝子変異陽性の高悪性度上皮性卵巣がん等では、

無増悪生存(PFS)期間中央値は、オラパリブ(リムパーザ)錠群(19.1カ月)がプラセボ錠群(5.5カ月)と比べ有意に延長し(p<0.0001)、オラパリブ(リムパーザ)錠群の増悪または死亡のリスクはプラセボ錠群より70%低下した(ハザード比(HR)=0.30)

とのことです。

参考;BRCA変異陽性再発卵巣がん 錠剤型のオラパリブ(リムパーザ)がプラチナ製剤後の維持療法で病勢沈静

また、BRCA遺伝子変異状況を問わず行われた試験19では、オラパリブはプラセボとの比較でPFSを改善したことが示されています(PFS中央値はオラパリブが8.4カ月、プラセボが4.8カ月)

参考;卵巣がん治療ガイドライン2020年版 CQ18改定案

今後の展望としては、血管新生阻害薬の併用、他の分子標的薬の併用、免疫チェックポイント阻害薬の併用も研究されています。

参考;卵巣がんのPARP阻害薬(オラパリブ、ルカパリブ、ニラパリブなど)、より多くの患者が有効性を享受するための治療戦略

卵巣がんは組織学的に4種類の腺癌に分けられますが、旧来の抗がん剤治療に比較的感受性が高い漿液性腺癌、類内膜性腺癌に比べて、日本では20%以上の頻度がある明細胞腺癌及び粘膜性腺癌は感受性が低いといわれていました。

新規の治療薬・治療法が、化学療法抵抗性の卵巣がんにも奏効するのが俟たれます。

 

まとめ

オラパリブは「がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能または再発乳癌」に対しても承認されました。

また、卵巣がんでもBRCA遺伝子変異陽性群での無増悪生存(PFS)期間中央値がより長いことが知られています。

参考;卵巣がん治療ガイドライン2020年版 CQ18改定案

今後、ルカパリブやニラパリブも使用可能となり、また各種の組み合わせが開発されるでしょう。

卵巣がんも分子標的薬等が適用されるようになりました。

治療を支える早期緩和ケアもより重要となるでしょう。

 

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