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医療用麻薬

トラマールとトラムセットに気をつけろ 効果と副作用と依存【2019年最新版】

トラマールとトラムセットとワントラムの効果と副作用と依存性を解説しました

トラマールとトラムセットは良い薬剤だが・・・

トラマールとトラムセットのことを知りたくてご覧になっている方もいると思います。

鎮痛薬の専門家で医療用麻薬を2000人以上に処方した経験がある専門医が解説します。

トラマールは成分の名前はトラマドールと言います。

トラマドールが入っている薬剤は代表的なものが3つあります。

短時間奏効型のトラマール。

長時間奏効型のワントラム。

短時間奏効型のトラマールとアセトアミノフェンの合剤のトラムセットです。

以前下の記事でがんの痛みとトラマールについても簡単に触れました。

このうち、トラムセットは保険適用の疾患が「非オピオイド鎮痛剤で治療困難な非がん性慢性疼痛と抜歯後の疼痛」となっていますので、2019年の現時点ではがんの痛みは保険適用外です。

一方で、トラマールとワントラムはがんの痛みにも非がんの慢性痛にも使用できます。

処方医としての感想だと、総じて良い薬剤だと思います。

まずはその効果と副作用をみていきましょう。

 

トラマール、ワントラム、トラムセットの効果と副作用

トラマール、ワントラム、トラムセットの効果

これらの薬剤の成分は、トラマドールです。

トラマドールが作用するのは、オピオイド受容体という場所です。

そのため、作用する場所自体は、モルヒネやオキシコドンなどの医療用麻薬と同様です。

ただ、トラマドールの製剤は、医療用麻薬にはなっていません。

それはなぜでしょうか?

その理由は、トラマドールは基本的に体内で代謝されて、O-デスメチルトラマドールという超強そうな名前(なんせデスメタルならぬデスメチルですから)になって、オピオイド受容体に作用するのです。

このワンクッションがあるため、便秘や呼吸抑制などのオピオイド薬共通の副作用が軽めで、依存性も低いとされて来ました。

実際、がんの患者さんのがんの痛みの場合は、依存例がほぼなく、副作用も軽めは軽めです。

ただその分、効果はオピオイド薬の中では強力ではないので、がんの中でも強い痛みだと早々に頭打ちになります。

各々のオピオイドは、モルヒネに換算した量で、強度を判断します。

トラマドールのmg数を10で割ると、臨床における実際的なモルヒネの量となります。

トラマドール100mg=内服モルヒネ10mgです。

がんの患者さんの場合、ケースによってはトラマドールでもかなり遅くまで鎮痛できるケースがあるので、有用な薬剤であることは変わりありません。

もう1つ注意点があって、トラムセットは1錠あたりのアセトアミノフェンの量が325mgと、がんの痛みを相手にする場合にはやや力不足です(★繰り返しますが、保険上は適用疾患ではありませんので、本来は出せません)。それに配慮して、専門医は治療を行っています。

トラマール、ワントラム、トラムセットの副作用

トラマールやワントラム、トラムセットの副作用は、両薬ともオピオイド系鎮痛薬なので下記で紹介する医療用麻薬の副作用と同様です。

眠気や便秘、吐き気などが問題となります。ただ一般に便秘や眠気等は軽めです。

吐き気に関しては、トラマドールはセロトニン作用があるので、それなりに出現する事例があります。脳に作用する吐き気止めを使用して対応します。

 

トラマール、ワントラム、トラムセットの何が問題か?

今年になって下記の論文が出版されました。

Chronic use of tramadol after acute pain episode: cohort study.

手術後の患者さんに使用した場合、これまでは依存性が低いとされて来たトラマドールが必ずしもそうではない、という結果でした。

ただし、毎度のようにお伝えしていますが、あくまでこれは痛みががんの痛みではない場合なので、がんの痛みの場合と混同しないようにしてください。がんの痛みの場合のトラマドールは、依存を起こすことは極めて少ないです。ほぼないと言って差し支えないでしょう。

なお、上の論文は衝撃的です。さすがアメリカ。

オピオイド未治療の患者さん約44.5万例のうち、約35.8万例が退院時にオピオイド処方を受けていたというのです。なんと8割。

その内訳では、ヒドロコドンが53.0%、次がオキシコドン37.5%、トラマドールは4.0%でした。

ヒドロコドンについては下の記事で解説しています。

ヒドロコドンが大人気ですね。強オピオイドのオキシコドンもなんと4割。日本では考えられない内訳です。

アメリカはアメリカで使いすぎなのですが、日本は日本で痛みはあまり積極的に介入されないことも多いので、術後痛がしばしば放置されているケースもあります。

術後痛については知っておかれたほうが良いので、下に記事を再掲します。

急性術後痛の存在は、術後痛が遷延するリスクなのです。

それなので抑え込んだほうが良いのですが、アメリカだと依存のリスクがあると指摘されたわけです。

ただ、鎮痛薬に関しての考え方は日本とアメリカはだいぶ違いますから、これを持って同様な依存リスクがあると捉えるのは、大きく捉え過ぎかもしれません。

一方で、トラマドールもれっきとしたオピオイドです。

適切な痛みに用いれば医療用麻薬はくせにもならず、恩恵を受けることができますが、そうではない痛みにまで使えば個人的にも社会的にも弊害が多くなりますので注意が必要です。

 

まとめ

トラマドールは良い薬剤ですが、モルヒネやオキシコドンと同じカテゴリーのオピオイド薬であり、医療用麻薬になっていないだけです。

したがって、むやみやたらと用いることは適切ではありません。

依存を形成するリスクが非常に低いがんの痛みには積極的に使用しても良い一方で、がん以外の痛みには専門家によって慎重に調整されることが必要です。

医療用麻薬やオピオイド薬の専門家が緩和ケア医や緩和薬物療法認定薬剤師です。

治療に迷ったら相談してみると良いと考えます。

 

 

 

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