• 早期からの緩和ケアを専門とするクリニックの落ち着いた院内の様子

早期緩和ケア大津秀一クリニックではがんや慢性病のつらい症状や痛み、不安を早期からの緩和ケア外来で末期に限らず専門医大津秀一が全国対応。遠隔相談可オンライン対応緩和ケア外来で東京文京区所在。病気の進み具合や種類を問わず早期受診できます。スマートフォン等を用いたビデオ通話で相談することもできます。内科専門医でもあり身体全般に詳しいです。緩和ケア・緩和医療といえば当院にご相談ください。【診療科:緩和ケア内科・疼痛緩和内科・がん内科・がん精神科】

がん治療

がんを放置しても大丈夫?──「何もしない選択」を考える前に知っておいてほしいこと

早期緩和ケア大津秀一クリニック外来の待合室

がんを「放置する」という選択について、よく相談を受けます

「がんは治療せず、自然に任せたほうがいいのではないか」
「手術や抗がん剤は怖い。できれば何もしないで過ごしたい」

外来では、このようなご相談を受けることが少なくありません。

背景には、不安、恐怖、過去に見聞きした情報、あるいは
「治療でつらい思いをするくらいなら……」
という、とても人間らしい気持ちがあります。

まず最初にお伝えしたいのは、
そう考えてしまうこと自体は、決しておかしなことではありません。


「がん放置」が話題になった時代がありました

10年以上前、「がんは放置したほうがよい」という考え方が注目された時期がありました。
実際に、その影響を受けて治療を控えた方もいらっしゃいます。

しかしその後、医療の現場では、

  • 放置しても進行しなかった例
  • 一方で、放置したことで手遅れになった例

その両方を見てきました。

残念ながら後者も、決して少なくありません。


がんを放置しても大丈夫な場合は「ゼロではない」

ここは、誤解なくお伝えしたい点です。

確かに、

  • 非常に進行がゆっくりなタイプ
  • 高齢で他の病気の影響が大きい場合
  • 医学的に慎重な経過観察が選択されるケース

など、「積極的治療を行わない判断」が妥当なこともあります。

ただしこれは、
専門的な評価と、継続的な観察が前提です。


問題なのは「自己判断での放置」です

外来で特に心配になるのは、

  • 誰にも相談せず
  • 検査や説明を十分に受けないまま
  • 「何もしない」と決めてしまうこと

です。

がんは、
「放っておいても変わらないもの」と
「気づいたときには進んでしまうもの」があります。

その違いは、素人目にはほとんど分かりません。


放置していたがんが、あとからつらさを生むこともあります

緩和ケア外来では、

「もっと早く相談していれば選択肢があったかもしれない」
「治療を完全に諦める必要はなかったかもしれない」

そう感じる場面に、時々出会います。

放置によって、

  • 痛みや症状が強くなる
  • 治療が難しくなる
  • 心の後悔が残る

ということも、現実として起こり得ます。


「治療するかどうか」を決める前にできること

大切なのは、

すぐに治療を始めることではありません。
一人で決めないことです。

  • 今のがんの状態はどうなのか
  • 放置した場合の見通し
  • 治療した場合の選択肢
  • 生活や価値観との折り合い

これらを一度、整理してから決めても遅くありません。


緩和ケア外来は「治療を勧める場所」ではありません

緩和ケア外来は、

  • 無理に治療を勧める場所ではありません
  • 放置を否定する場所でもありません

「どうするのが自分にとって一番納得できるか」
を、一緒に考える場所です。

実際に、
外来で話をする中で、治療に臨む決断をされる方もいれば、
慎重に経過を見ていく選択をされる方もいます。


迷っているなら、まず相談してください

「放置しても大丈夫なのか」
「治療が怖くて踏み出せない」
「このまま様子を見るのは危険なのか」

その迷いを抱えたまま、一人で耐える必要はありません。

相談することは、治療を始めることと同義ではありません。

立ち止まって考える時間を持つこと自体が、
あなたにとって大切な医療の一部です。

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迷っている方へ

迷っている方へ

がんと診断されたあと、
「今すぐ何かを決めなければいけない」
「でも、何をどう考えればいいのかわからない」

そんな状態でこのページをご覧になっている方も
多いのではないでしょうか。

このページでは、
・治療を続けるか迷っているとき
・主治医の説明がつらかったとき
・家族のほうが先に不安になっているとき
・緩和ケアのタイミングがわからないとき

「すぐ決めなくていい問い」を、
ひとつずつ整理しています。

ここまで読んでも、
「まだ自分が相談していいのかわからない」
そう感じている方もいらっしゃると思います。

それで大丈夫です。

もし、
・一度、状況を整理したい
・主治医とは別の視点で話を聞いてみたい

そう思われたときには、
早期緩和ケア外来・オンライン相談という選択肢もあります。

受診するかどうかを、迷いながら来られる方も少なくありません。

その迷い自体を含めて、ご相談いただいて大丈夫です。

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