• 早期からの緩和ケアを専門とするクリニックの落ち着いた院内の様子

早期緩和ケア大津秀一クリニックではがんや慢性病のつらい症状や痛み、不安を早期からの緩和ケア外来で末期に限らず専門医大津秀一が全国対応。遠隔相談可オンライン対応緩和ケア外来で東京文京区所在。病気の進み具合や種類を問わず早期受診できます。スマートフォン等を用いたビデオ通話で相談することもできます。内科専門医でもあり身体全般に詳しいです。緩和ケア・緩和医療といえば当院にご相談ください。【診療科:緩和ケア内科・疼痛緩和内科・がん内科・がん精神科】

がん治療

“何もしない”と“何も決めない”は違います ── がん治療で後悔を減らすために知っておいてほしいこと

早期緩和ケアクリニック外来の緩和医療専門医(緩和ケア医)大津秀一が解説する苦痛を取ってもらって穏やかに過ごしたいんです

「何もしない」という選択をしているつもりの方へ

がんと診断されたあと、
「今は治療をしない」
「もう少し様子を見たい」
と考える方は、決して少なくありません。

この選択そのものが、間違いだとは私は思っていません。
実際、治療を急がず、生活を大切にしながら過ごすことが妥当なケースもあります。

ただ、緩和ケアの現場で長く診療してきた立場から、ひとつだけはっきり言えることがあります。

それは、
「何もしない」と「何も決めていない」は、まったく違う状態だということです。


「何もしない」は、ひとつの“選択”です

医学的にいう「治療をしない」という判断は、

  • 病状や進行の見通しを理解したうえで
  • 利点と不利益を知り
  • 自分なりの理由をもって決める

という、能動的な選択です。

この場合、その方は
「今は治療をしない」
「必要になったら考え直す」
という軸を持っています。


一方で「何も決めていない」状態とは

一方、緩和ケア外来でよく目にするのは、次のような状態です。

  • 情報を調べ続けているが、整理できていない
  • 医療者に相談しづらく、時間だけが過ぎている
  • 「そのうち考えよう」と思いながら、決断を先送りしている

この状態は、選択しているようで、実は選択していない状態です。

多くの方が、
「考えていたつもりだった」
「放置していたわけではない」
とおっしゃいます。

しかし、病気と時間は待ってくれません。


緩和ケアの現場で見てきた「後悔の共通点」

私がこれまで診てきた中で、
後悔を強く口にされる方には、共通点があります。

それは、
「何もしないつもりだった」のではなく、「何も決めないまま時間が過ぎてしまった」
という点です。

  • 痛みが出てから
  • 生活が急に立ち行かなくなってから
  • 選択肢が限られてから

「もっと早く話を聞いておけばよかった」
そう言われる場面を、何度も見てきました。


決めることは、治療を始めることではありません

ここで誤解してほしくないのは、
「決める=治療を始める」ではないということです。

決めるとは、

  • 今の状態を理解する
  • この先に起こりうることを知る
  • 自分が大切にしたいことを言葉にする

そのうえで、
「今は治療をしない」
と選ぶことも、立派な決断です。


「何も決めない」状態が一番つらくなる理由

何も決めないままでいると、

  • 不安は減らず
  • 情報だけが増え
  • 周囲の言葉に振り回されやすくなります

結果として、
心も体も、消耗してしまうことが少なくありません。

これは、がんの進行とは別のつらさです。


だからこそ、相談する意味があります

緩和ケアは、
「治療を勧める場所」でも
「諦める場所」でもありません。

  • 状況を整理する
  • 選択肢を並べる
  • 自分の考えを言葉にする

そのための場所です。

「まだ決められない」
「決めたくない」
そう感じている時こそ、相談してよい分野です。


まとめ

「何もしない」と「何も決めない」は、似ているようで本質的に違います。

後悔を減らすために大切なのは、

  • どの選択をするかではなく
  • 理解したうえで選べているか

迷いがあるなら、一人で抱え込まず、
一度立ち止まって整理することから始めてみてください。

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迷っている方へ

迷っている方へ

がんと診断されたあと、
「今すぐ何かを決めなければいけない」
「でも、何をどう考えればいいのかわからない」

そんな状態でこのページをご覧になっている方も
多いのではないでしょうか。

このページでは、
・治療を続けるか迷っているとき
・主治医の説明がつらかったとき
・家族のほうが先に不安になっているとき
・緩和ケアのタイミングがわからないとき

「すぐ決めなくていい問い」を、
ひとつずつ整理しています。

ここまで読んでも、
「まだ自分が相談していいのかわからない」
そう感じている方もいらっしゃると思います。

それで大丈夫です。

もし、
・一度、状況を整理したい
・主治医とは別の視点で話を聞いてみたい

そう思われたときには、
早期緩和ケア外来・オンライン相談という選択肢もあります。

受診するかどうかを、迷いながら来られる方も少なくありません。

その迷い自体を含めて、ご相談いただいて大丈夫です。

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