膵臓がんの痛みは、なぜ強くなりやすいのか
膵臓がんは、他のがんと比べても痛みが強く出やすいことで知られ
特にステージ3・ステージ4では、
その理由は、膵臓の解剖学的な位置と神経との関係にあります。
膵臓はお腹の奥、背中側に近い場所にあり、周囲には腹腔神経叢と
がんが進行すると、
- 腫瘍そのものが神経を圧迫する
- 炎症が神経に波及する
- 周囲の臓器や血管に広がる
といった影響で、強い神経痛や内臓痛が生じやすくなるのです。
ステージ3・4でみられやすい痛みの特徴
膵臓がんの痛みは、次のような特徴を持つことが多いです。
- みぞおち〜背中に抜けるような痛み
- 夜間や安静時に強くなる
- 姿勢によって増悪する(仰向けがつらい)
- 鎮痛薬が効きにくいと感じることがある
特にステージ3・4では、「最初は軽かったが、
「我慢すれば仕方ない痛み」ではありません
ここで、とても大切なことがあります。
膵臓がんの痛みは、
「進行しているから仕方がない」
「もう耐えるしかない」
という種類の痛みではありません。
実際、緩和ケアの専門的な介入によって、
- 痛みが大きく軽減する
- 日常生活が取り戻せる
- 夜眠れるようになる
というケースを、私は数多く経験してきました。
膵臓がんの痛みに対してできる緩和ケア
膵臓がんの痛みに対する緩和ケアは、単に「強い痛み止めを出す」
1. 鎮痛薬の適切な組み合わせ
- アセトアミノフェン
- 医療用麻薬(オピオイド)
- 神経痛に効く補助薬
これらを痛みの性質に合わせて組み合わせることが重要です。
「薬が効かなかった=もう打つ手がない」ではありません。
2. 神経ブロックという選択肢
膵臓がん特有の強い神経痛に対しては、
腹腔神経叢ブロックなどの専門的治療が有効な場合があります。
これは、
- 神経からの痛みの信号を遮断する
- 薬の量を減らせることもある
といった利点があります。
3. 痛み以外のつらさも同時に整える
痛みは、単独で存在することはほとんどありません。
- 不安
- 眠れなさ
- 食欲低下
- 体力低下
これらが重なることで、痛みはさらに強く感じられます。
緩和ケアでは、痛みの背景にある要素も含めて整えることを重視し
緩和ケアは「最期の医療」ではありません
「緩和ケアはもう治療ができなくなってから受けるもの」
そう思っている方は、今も少なくありません。
しかし現在の医療では、
- 抗がん治療と並行して受けられる
- ステージ3・4でも早くから関わるほど効果が高い
という考え方が国際的に主流です。
痛みが出てからではなく、
「つらくなりそうだ」と感じた時点で相談していい医療です。
まとめ|膵臓がんの痛みは、一人で抱えなくていい
膵臓がんステージ3・ステージ4の痛みは、
確かに強くなりやすい特徴を持っています。
しかしそれは、
- 我慢するしかない痛みではない
- 相談してはいけない痛みではない
ということを、どうか知っておいてください。
緩和ケアは、
痛みを減らし、生活を取り戻し、治療を支える医療です。
「この程度で相談していいのだろうか」
そう迷ったときこそ、相談のタイミングです。





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