がんと診断されたとき、仕事はどうすればいいのか
がんと診断されたとき、
多くの方がまず頭に浮かべるのが、
- 仕事は続けられるのか
- 休職した方がいいのか
- 周囲にどう伝えればいいのか
といった悩みです。
これは、とても自然な反応です。
病気のこと以上に、
「生活」や「役割」が揺らぐ不安が大きいからです。
がん治療をしながら仕事を続けられるケースも多い
結論から言うと、
がん治療を受けながら仕事を続けている方は少なくありません。
- 通院治療が中心の場合
- 副作用が比較的軽い治療の場合
- 勤務形態に柔軟性がある場合
こうした条件がそろえば、
治療と仕事を並行することは十分可能です。
「がん=即休職」という時代ではありません。
それでも「無理に続ける必要」はありません
一方で、
- 強い副作用が出ている
- 疲労が抜けない
- 痛みや不安が日常生活に影響している
こうした状態で無理をすると、
治療そのものがつらくなってしまうこともあります。
仕事を続けるかどうかは、
「気合」ではなく「体と心の状態」 で決めてよいのです。
休職を考えるタイミングとは?
休職を考えてもよい目安としては、
- 仕事後に回復まで時間がかかる
- 集中力が保てない
- 痛みや不安で夜眠れない
こうした状態が続く場合です。
休むことは「逃げ」ではありません。
治療の一部であり、
長い目で見れば回復を早める選択になることもあります。
「両立支援」という考え方
最近では、
がん治療と仕事の両立支援 という考え方が広がっています。
- 勤務時間の調整
- 在宅勤務
- 業務内容の見直し
すべてを一人で抱え込む必要はありません。
医療者が間に入り、
状況を整理することで、
仕事との向き合い方が楽になることもあります。
緩和ケアは「仕事をやめる医療」ではありません
緩和ケアというと、
「もう働けない人の医療」
そんなイメージを持たれがちです。
実際には、
- 痛みを和らげる
- 不安を軽くする
- 生活の質を保つ
ことを目的としています。
その結果、
仕事を続けやすくなる方も多くいます。
最後に
がん治療と仕事の両立に、
「正解」はありません。
続ける選択も、
休む選択も、
どちらも尊重されるべきです。
大切なのは、
一人で抱え込まないことです。
早期からの緩和ケア外来では仕事に関しても相談できます
当院では、
がん治療中の生活や仕事についての相談も行っています。
「続けるべきか迷っている」
「今の状態で無理をしていないか知りたい」
そんな段階でも構いません。
一緒に整理するところから始められます。
















