肺がんのつらさは、「呼吸」に関わる不安が大きな割合を占めます
肺がんの患者さんから、よく聞かれる言葉があります。
- 「息がしにくい気がして、常に意識してしまう」
- 「夜、息が止まるのではと怖くなる」
- 「咳が出るたびに悪化した気がする」
- 「息苦しさが出ると、頭が真っ白になる」
肺がんのつらさは、
症状そのもの以上に、“呼吸が乱れることへの恐怖”が重なって生じることが少なくありません。
なぜ肺がんでは不安が強くなりやすいのか
呼吸は、人が無意識に行っている生命活動です。
そのため、
- 息が詰まる感じ
- 呼吸が浅くなる感覚
- 咳が止まらない不安
があると、「生きられなくなるのでは」という根源的な恐怖が一気
これは気の持ちようではなく、
人間の本能に近い反応です。
症状の強さと、不安の強さは一致しません
肺がんでは、
- 医学的には軽度の呼吸苦
- 酸素飽和度も比較的保たれている
- 画像上も急激な悪化はない
それでも、本人の不安が非常に強いということがよくあります。
逆に、症状が進行していても、
不安が比較的落ち着いている方もいます。
息苦しさが不安を呼び、不安が息苦しさを強める
肺がんでは、
- 息苦しさを感じる
- 「悪化したのでは」と考える
- 不安が高まる
- 呼吸が浅く速くなる
- さらに息苦しさを感じる
という悪循環が起こりやすくなります。
この状態では、
単に「酸素を入れる」「薬を出す」
咳も、心を消耗させる大きな要因です
肺がんに伴う咳は、
- 夜間に続く
- 外出先で止まらない
- 周囲の視線が気になる
など、生活と尊厳に直結するつらさを伴います。
咳が続くことで、
- 眠れない
- 疲れが取れない
- 「周りに迷惑をかけている」と感じる
といった心理的負担も増えていきます。
肺がんの緩和ケアでできること
緩和ケアは、「最期の医療」ではありません。
肺がんでは、特に次のような支えが重要になります。
- 呼吸困難や息苦しさの評価と対処
- 咳に対する薬物・非薬物的アプローチ
- 「苦しくなったとき、どうすればいいか」の具体的な整理
- 不安や恐怖を言葉にして整える支援
- 主治医には聞きづらい不安の相談
不安を一人で抱えないことが、症状の安定にもつながります。
「まだ我慢できる」うちに相談していい理由
肺がんの患者さんは、
「もっと苦しくなってから相談すべきでは」
と考えがちです。
しかし、呼吸の不安は
強くなってからでは、立て直しに時間がかかることも少なくありま
緩和ケアは「安心を先に用意する医療」です
緩和ケアでは、
- どんなときに受診すべきか
- どの症状が危険サインか
- 家でできる対処は何か
を事前に整理します。
これにより、
「息が苦しくなったらどうしよう」という漠然とした恐怖が、
「こうすればいい」という具体的な行動に変わります。
まとめ:息苦しさと不安は、切り離せません
肺がんのつらさは、
- 息苦しさ
- 呼吸困難
- 咳
- それに伴う強い不安
が複雑に絡み合って生じます。
症状が軽く見えても、
不安が強ければ、それは十分な相談理由です。
「まだ大丈夫」と言われている今こそ、相談できる場所がある
──そのことを、どうか知っておいてください。





















