多発性骨髄腫は「長く続く不安」を伴う病気です
多発性骨髄腫は、治療の進歩によって長期に生存できる時代になり
一方で、多くの患者さんが、
- 「たやすく治って終わる病気ではない」
- 「いつか再発するかもしれない」
という前提のもとで生活することになります。
そのため、症状が落ち着いている時期でも、
不安が完全に消えることは少ないのが、
多発性骨髄腫で多い「つらさ」
多発性骨髄腫のつらさは、単なる痛みだけではありません。
- 骨病変による慢性的な痛み
- 圧迫骨折や骨折への恐怖
- 強い倦怠感・だるさ
- しびれや神経障害
- 感染への不安
- 「次の治療はいつまで効くのか」という将来不安
これらが同時に、長く続くことが多いのです。
「いまは治療が効いているから」と言い出せない不安
外来でよく聞かれる言葉があります。
- 「検査値は落ち着いていると言われている」
- 「治療はうまくいっていると言われた」
それでも、
- 体はつらい
- 不安が消えない
- 夜になると先のことを考えてしまう
こうした状態でも、
「この程度で相談していいのだろうか」と、
多発性骨髄腫における緩和ケアの役割
緩和ケアは、「最終段階の医療」ではありません。
多発性骨髄腫では特に、
緩和ケアでは、
- 骨の痛みやしびれの調整
- 倦怠感・睡眠の問題への対応
- 再発や将来への不安の整理
- 生活の質(QOL)を保つ工夫
- 治療選択に伴う迷いの相談
といった支援を行います。
特に多発性骨髄腫で多い骨病変からの疼痛はしばしば強くなるため、
痛みが緩和されない時は十分に緩和ケア医など専門家の関与を受けることがとても大切です。
「再発を前提に生きる」ことの重さ
多発性骨髄腫の患者さんの多くは、
「次の治療」や再発・再燃等を常に意識しながら生活しています。
それは、
- 気力をすり減らす
- 周囲に理解されにくい
- 家族にも言いづらい
という、見えない負担を生みます。
この「見えない重さ」を言葉にできる場が、緩和ケア外来です。
症状が軽いうちから相談してよい理由
緩和ケアは、
症状が悪化してから使う医療ではありません。
多発性骨髄腫のように経過が長い病気では、
- 早くから関わる
- 小さな困りごとを積み重ねない
ことが、結果的に治療を続ける力を守ることにつながります。
主治医との関係を壊すものではありません
「緩和ケアに行ったら、主治医に悪く思われないか」
と心配される方もいますが、そうではありません。
緩和ケアは、
- 治療を否定する場所ではない
- 主治医の代わりになる場所でもない
治療を受けながら生きる日常を支える補助線です。
まとめ──不安があること自体が、相談の理由です
多発性骨髄腫では、
- 痛みがあるから
- 症状が強いから
だけでなく、
「不安が続いている」こと自体が、十分な相談理由になります。
- まだ治療中でも
- 数値が安定していても
- 将来のことを考えてしまうときでも
緩和ケアは、使ってよい医療です。
一人で抱え続ける必要はありません。






















