がんや慢性病のつらい症状や痛み、不安の早期からの緩和ケアを末期に限らず専門医大津秀一が全国提供。遠隔相談可オンライン対応緩和ケア外来クリニックで東京文京区所在。病気の進み具合や種類を問わず早期受診できます。再診以降は全国どこにお住まいでもスマートフォン等を用いたビデオ通話で診察・処方を受けることもできます(処方を伴わない相談は初回から遠隔対応も可能)。内科専門医でもあり身体全般に詳しいです。緩和ケア・緩和医療といえば当院にご相談ください。【診療科:緩和ケア内科・疼痛緩和内科・がん内科・がん精神科】

在宅緩和ケア

最期は緩和ケア病棟と在宅・家で過ごすのはどちらが良いか?

最期は緩和ケア病棟か家か?を解説

最期は緩和ケア病棟と在宅・家で過ごすのはどちらが良いですか?

「最期は緩和ケア病棟と在宅・家で過ごすのはどちらが良いですか?」

非常によく聞かれる質問です。

皆さんも疑問に思って、ここに辿り着かれたかもしれません。

皆さんはどちらが良いと思いますか?

結論から言います。

どちらも良いです。

ただしどちらが良いかはその方やご家族次第です。

2000人以上の看取りに携わった緩和ケア医の私が解説します。

 

必ず訪れる立ち居振る舞いの低下、その時をどう考えるか?

症状緩和自体は非常に進歩しています。

在宅医の中にも、元々バリバリの緩和ケア病棟医やホスピス医だった医師がいますので、そのような医師が診てくれているケースでは鬼に金棒です。

それなのでスキルある在宅医が関わってくれていれば、家でも病院でも緩和ケアの水準自体は大きく変わりません。

したがって、苦痛がひどいために家で生活できなくなるということは思われているほどは多くありません(在宅医の緩和ケアのスキルがあれば)。

問題になるのは、どんな病気でも終末期になると足腰が衰えるということです。

最終的には、歩行は困難になり、トイレまで行くのが困難になってきます。

そのような場合もポータブルトイレを使えますが、最終的にはベッド上の生活になります。

一方で、ことがんの場合は、(経過によっても異なりますが)比較的遅くまで立ち居振る舞いが保たれるので、そのような生活が長い種類の病気ではありません(あくまで一般的には、ですが)。

ただ、身の回りのことができなくなることは、ご本人及びご家族にとって、大きなストレスになり、不安にもなります。

迷惑をかけるのを忍びないとして、自ら入院を決断される方もいます。

ご家族の介護力や精神状態で、もう介護が難しいとしてご家族が入院を決められる場合もあります。

症状緩和というよりも、このような身の回りのことができなくなるために介護の負担が増えることが、終末期において入院のきっかけとなることは多いようです。

 

最終末期の身の置き所のなさも悩まれるところ

現状は、いかなる緩和の技術を駆使しても、がん終末期の最後の数日は身の置き所のなさが出現して一定以上の苦しさが出ることも多いです。

下記で解説しています。

その際は、うとうとと眠って苦痛を緩和するという鎮静の適応となります。

ただこの鎮静には、行ってくれる行ってくれないの他にも、調節のスキルに巧拙があります。

在宅医のそのスキルの他に、これが必要となる状態や治療の意味、限界等を十分説明できる関係が構築されていないと、見ているのが忍びないので最後は病院で、という流れになることもあります。

 

結局、緩和ケア病棟と在宅・家で過ごすどちらが良いの?

はっきり言いましょう。

◯ご本人がどこで過ごすことを望んでいるか、家でもマネジメントできそうな苦痛の内容か

◯ご家族がどう思っているか。ご本人の気持ちを叶えようとしているかどうか。マンパワー的に、あるいはご家族の状況や各々の精神状態等において在宅で支えられる力があるか

これらで最適な解は異なります。

ご本人が家で生活することを望み、家で生活できる苦痛レベルやADL(日常生活動作)水準があり、ご家族も家で良いと考え、それを支えるマンパワーや精神的な状況があれば、間違いなく家が良いでしょう。

ご本人が迷惑をかけたくないと緩和ケア病棟での最後を希望し、ご家族もそれが良いと考えるならば、緩和ケア病棟のほうが良いでしょう。

早い段階で身の回りのことが困難となり、体格が立派で、なかなか介護が大変で、介護者も配偶者しかおらず、苦痛が全般的に強い……というならば、総合的に考えれば、緩和ケア病棟が良いように見えます。

けれども上記のような、比較的結論が出やすいケースばかりではありません。

医学的には全く問題なく家で生活できるにもかかわらず、ご家族は絶対に在宅療養は無理、というケースもあります。

本心は家で生活したいし、ご家族もそれを望んでいる一方で、小さい子供が3人もいて、とても家では無理……とご本人及び配偶者が悩まれたり……というようなケースもあります。

最適な解はそれぞれ異なりますし、ご本人とご家族の希望が割れている場合は、なかなかに着陸点を見つけるのが困難な場合もありますし、軋轢を生じたりもします。

はっきりと答えが見えない時はどうしたら良いのでしょうか?

 

そのような時こそ、プロセスを重視すべし

またはっきりと言いますが、悔いがない決断となるのは、紆余曲折があったとしても、十分ご本人とご家族が話し合ったケースです。

大切なのは、決めることというよりも、家で生活するのか、緩和ケア病棟で過ごすのか、それを時間をかけて一緒に考えるという「プロセス」なのです。

それなので、どこで過ごすかということに当たり外れがあるというよりは、究極的には、それをどう決めたのかというところで良い悪いが決まるのではないかとも感じます。

これだけ皆で悩んで決めたのだから……その思いが持てることは、支えになるものです。

そしてなかなかそれを家族だけで行ってゆくのは大変ですし、積極的に医療者を巻き込んでいくことが大切です。

関わっている緩和ケアの従事者は、このような時に非常に助けになります。

緩和ケアの担当者に早くから関与してもらうことの意味の1つはここにあるとも言えましょう。

緩和ケア病棟と在宅・家で過ごすのはどちらが良いかは、その方の希望や病気の状態、苦痛の程度や内容、生活の障害度、ご家族の思いや介護のマンパワー、精神的な状況など様々な要素によって決まりますし、個々で異なります。

何が最善か、それをともに考えてくれる医療者を見つけて、よく相談し、皆で相談することが、満足のいく決断につながると言えましょう。

なお、緩和ケア病棟の入院予約を行いつつ在宅医に来てもらうことは普通なので、ぜひそうして頂くと良いと考えます。二者択一に最初からガチガチに決める必要はなく、経過を見ながら最終決断に至っても良いのです。

 

 

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