がんや慢性の病気によるつらい症状や痛み、不安を和らげる緩和ケアを、患者さんとご家族に専門家の医師が提供する緩和ケア外来クリニック。病気の進み具合を問わず受診できます。遠隔診療(オンライン診療)にも対応しており、診療所は東京の椿山荘の近くにありますが、再診以降は全国どこにお住まいでもスマートフォン等を用いたビデオ通話で診察・処方を受けることもできます(処方を伴わない相談は初回から遠隔対応も可能)。緩和ケアといえば当院にご相談ください。【診療科:緩和ケア内科・疼痛緩和内科・がん内科・がん精神科】

がんと精神・心理

ありがとうハラスメント 病者との接し方でのタブー

早期緩和ケアクリニック外来の緩和医療専門医(緩和ケア医)大津秀一が解説するがんの家族・友人との接し方、ありがとうハラスメント

どう病気の方に接すれば良いの?

患者さんの友人・知人から、病気の方、がんの方にどう接すれば良いのか、度々質問を受けます。

「これまで通りで良いですよ」

と伝えて、ハッとされる方はもともと鋭い方です。

狐につままれたような表情をされるのが(でも結構説明しているのですよ)、まあ普通でしょう。

なかには、居心地が悪そうな「え? それで良いの?」という表情をされる方もいます

「何それ?」という怪訝そうなお顔になる方もいます。

「これまで通りで接する」と聞いて、もどかしく感じたり、むずむずしてしまう方には、今日の話題はぜひ読んでもらえたらと思います。

ただこういう「こうしたほうが良い」という助言より、得てして「こうしない」という”べからず”のほうが、心に残るのですよね。

そのため、今日は「やるべきでないこと」を述べます。

ただし最初に断っておきますが、万人に当てはまる法はありません。

私はむしろこうしてもらったほうが良いという方も中にはいるでしょう。

例外はどんな場合でもありますから、それを踏まえてお読みください。

 

軽くない病気の方に言ってはいけないことやってはいけないこと

一言で言います(ズバリ)。

善意の押し売りです。

あるいは安易な気やすめや慰めです。

このようなものは要りません。

どこかで調べてきたような、治療法や健康食品、その他おすすめのものや健康法、心理的なアプローチのお勧め

それらは全て不要です。

基本は「問われたら答える」ということです。問われたら、「自分はこういうのが良いと聞いたことはあるけれどもね」と押し付けがましくなくさらりと伝えるのは大丈夫です。

「それじゃ、何も言えないじゃない……」と仰る方は、「これまで通りで良いですよ」の意味を理解していません

健康な時に、そんなことをどんどん勧めましたか?

こうすれば良い、ああすれば良いと、相手が何も言わないうちから勧めていましたか?

人は確かに善意があります。

困っている人がいれば、何とかしたいと思うのが普通です。

けれども、求められていないのに提供するのは単なるおせっかいで、また押し付けです。

病者は、自分なりに考えてできることをやっています。

問われた時に、それに対して答えるのは良いと思います。

しかし、聞かれてもいないのに、口頭や手紙で、「ああすれば良い」「こうすればがんが治る」等と様々なことを勧めるのは、十分迷惑になりうるということを理解するのが良いでしょう。

 

必要なのは助言ではない

アドバイスよりも、何気ないこれまで通りの会話が、病者にとっては支えになります。

世間話や噂話、くだらない話、ばっちりだと思います。

安易な励ましも、元気づけも要りません。

実際、私が小病になった際に、一緒に働いていた大学病院の緩和ケアナースは、まさに完璧な対応でした。

普段から彼女たちの臨床スキルを知っており尊敬していましたが、上に書いたような「べからず」は一切なく、まさしく「これまで通り」

これぞプロフェッショナルと思いました。

 

ありがとうハラスメントを防ぐ

心からのありがとう、ならば良いです。

しかし、ありがとうを言わせてしまうハラスメント、これは防がなければなりません。

病者は、善意を感じつつも、迷惑さを感じます。

度重なると、善意どころか、害意すら感じてしまうでしょう。

それでも相手は善意からであることを認識すれば、「ありがとう」と言わざるを得ません

しかしえてして、鈍感な方だと、その「ありがとう」を心からの感謝と受け取り、パワーアップして同じようなことをされる場合すらあります。

人の立場は、本当に違います

自分としては何でもない言葉でも、ある人にはとてもストレスを与えてしまうこともあります。

もちろんそれを過剰に自覚すれば、何も言葉がなくなってしまいますが、特に軽くない病気の方に対しては、余計なことを言うのならば、ただ沈黙したほうが良いということを知っておくのが良いでしょう。

極端な話、(心からのありがとうでなければ)「ありがとう」と何度も言わせてしまっては負けだとすら認識しても良いかもしれません。

少なくとも、「ありがとう」はどれだけ本当のありがとうなのかを把握するセンサーは持っておきたいものです。

 

「わかります」ですらダメ

私の現場では、年間1回以上は「わかります」と言葉を使った時に、激しく怒られることを経験します。

「私は、私の知る範囲で、あなたの仰ることを理解しました」と補足しなければ、

「どこの誰が私の苦しみを”わかる”のか。ふざけるのもいい加減にしろ」とお思いになるのです。

確かに、例えば若くして、お子さんもいて、身体や気持ちのつらさに苦しみ、治らず、死も意識する。

そんなところに、さもわかったように、「わかりますよ。そのつらさ」

そう言われたらどうでしょうか?

わかるはずがないのです。

言葉や行動は、まず発する前に、一度視点を変えて、あの方ご自身の立場だったらどうか? それを考えれば、不用意に思いつくままに善意のようなものをして起こる問題を回避してくれます。

生き方も多様化した現在、各々が置かれている立場はそれぞれです。

わかることは永久にできないけれども、わかろうとすることと、その気持ちを言葉を使ってしっかり説明することはできる、それを忘れないことだと思います。

「わかります」というよりも、「私には想像の限りを超えているけれども、あなたがそのつらさと向き合っていることは、私にはわかる」という言葉では、言わんとしていることは同じでも、受け取る側には全然違います。

ありがとうと言わせてしまう「ありがとうハラスメント」

防いでいきたいものですね。

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