がんと診断されて、最初に感じる戸惑い
がんと診断された直後、多くの方がこう感じます。
主治医の説明を聞いたけれど、頭に入ってこない
家族にどう話せばいいかわからない
インターネットを見れば見るほど不安になる
「これから何を基準に判断すればいいのか」が見えない
これは、とても自然な反応です。
病名そのものよりも、先が見えなくなることが一番の負担になるからです。
「まだ症状がないから相談するほどではない」と思っていませんか
「痛みもないし、今は治療が始まったばかりだから」
「緩和ケアや相談は、もっと後でいいのでは」
そう考える方も少なくありません。
しかし近年、症状が出る前から相談できる医療の重要性が、国内外の研究で示されています。
気持ちの整理がしやすくなる
治療中の不安や迷いを早めに言語化できる
結果として、生活の質が保たれやすい
「何かあってから」ではなく、
「何も起きていない今だからこそ」話せることがあります。
がんの相談は「治療の相談」だけではありません
がんの相談というと、
抗がん剤をするかどうか
手術を受けるべきか
セカンドオピニオンをどう取るか
といった、治療そのものを想像されがちです。
しかし実際には、それ以前の段階で、
この病気とどう向き合えばいいのか
仕事や生活をどう考えればいいのか
家族にどう説明すればいいのか
主治医にどこまで聞いていいのか
こうした「整理されていない不安」を抱えている方が大半です。
その不安を一度、医療の視点で整理するだけでも、
気持ちが大きく変わることがあります。
当院が行っている「がん相談」について
当院では、
がんと診断された方
再発や治療方針で迷っている方
ご家族としてどう支えればよいか悩んでいる方
を対象に、時間を確保した相談を行っています。
ここで行うのは、
「何かを決めさせること」ではありません。
いま何に困っているのか
どこが一番不安なのか
何をまだ決めなくていいのか
を一緒に整理することが目的です。
すぐに受診を決めなくても構いません
このページを読んで、
「今すぐ相談するほどではないかもしれない」
「もう少し考えてからにしたい」
そう感じたとしても、それで大丈夫です。
がんの経過は長く、
必要なタイミングは人によって異なります。
ただ、
「こういう相談先がある」
「困ったときに思い出せる場所がある」
そう知っておくだけで、
いざというときの心理的負担は軽くなります。
最後に
がんと向き合う過程で、
「誰にも聞けないまま抱え込んでしまうこと」
が一番つらい状態です。
治療が始まる前でも、途中でも、再発後でも、
相談するタイミングに「早すぎる」「遅すぎる」はありません。
必要だと感じたときに、
選択肢の一つとして思い出していただければと思います。














