乳がん治療が「落ち着いたあと」も、不安が消えない理由
乳がんは、治療成績が向上し、長く付き合っていく病気になってき
その一方で、
- 治療が一段落したあと
- 経過観察に入ったあと
- 「順調です」と言われている時期
にも、強い不安を抱え続けている方が少なくありません。
「もう大丈夫なはずなのに、なぜこんなに不安なのだろう」
そう感じている方は、とても多いのです。
乳がん特有の「長く続く不安」
乳がんでは、次のような特徴があります。
- 経過観察が10年以上に及ぶことがある
- ホルモン療法が5年・10年と長期化する
- 再発リスクについて、完全にゼロとは言えない
- 見た目や体の変化が、生活や仕事に影響する
これらが重なり、
「治療は終わったのに、心は終わらない」状態が続きやすいのです。
仕事を続けながら抱える、見えにくい不安
乳がんの方は、治療をしながら、あるいは治療後に仕事を続ける選
しかし実際には、
- 疲れやすさ
- 気力の波
- 周囲に気を使い続けるしんどさ
- 「もう元通りですよね?」という無言の圧力
といった、言葉にしづらい負担を抱えがちです。
「仕事はできているけれど、正直つらい」
この状態は、決して珍しくありません。
リンパ浮腫や体の変化がもたらすストレス
乳がん治療後には、
- リンパ浮腫
- しびれや違和感
- 体型や感覚の変化
といった、命に直結しないけれど生活に大きく影響する問題が起こ
これらは、
- 忙しい乳腺外来では相談しづらい
- 「我慢すればいいこと」と思われがち
ですが、本人にとっては日常の質を左右する重要な悩みです。
ホルモン療法が長期化することのつらさ
ホルモン療法は、乳がん治療の重要な柱ですが、
- だるさ
- 気分の落ち込み
- 関節痛
- 将来への不安
などが、長期間じわじわ続くことがあります。
「効いているから仕方ない」
「我慢するしかない」
そう思って、誰にも相談せずに耐えている方も少なくありません。
「乳腺外来では話しきれない」問題がある
乳腺外来は、とても忙しい現場です。
検査や治療の判断が優先されるため、
- 不安の整理
- 生活全体の悩み
- 仕事や将来の迷い
まで、十分に時間を取るのが難しいこともあります。
それは主治医の問題ではなく、医療の構造上の限界です。
緩和ケア外来は「治療が終わってからこそ」役立つことがある
緩和ケアは、
- 痛みだけを見る医療
- 最終段階の医療
ではありません。
乳がんの方にとっての緩和ケアは、
- 長く続く不安の整理
- 体の変化との付き合い方
- 仕事や生活の調整
- 「このままでいいのか」という迷いの言語化
を、時間をかけて一緒に考える場でもあります。
「この程度で相談していいのか」と迷っている方へ
乳がんの方からよく聞く言葉があります。
「命に関わるわけじゃないから」
「治療はうまくいっているから」
「こんなことで相談していいのか分からない」
ですが、不安やつらさは、重症度で測るものではありません。
むしろ、
長く続くからこそ、整理が必要な不安もあります。
まとめ
乳がんは、治療が終わってからも、
- 不安
- 体の変化
- 仕事との両立
- 将来への迷い
が続きやすい病気です。
それらを一人で抱え込まず、
「治療とは別の相談先」を持つことは、とても大切です。
緩和ケア外来は、
「まだ大丈夫な人」こそ使ってよい場所です。


















