肺がんの緩和ケアは容易ではない
肺がんは、呼吸に携わる肺に病変が生じるので、進行すると息苦しさの原因になります。
また咳を生じてくることは、容易に推測されると思います。
一方で、呼吸器系のがんなので、あまりピンと来られない方もいますが、痛みもそれなりの頻度で起こしてくる病気です。
抗がん剤治療の副作用対策も必要になります。
総じて、緩和ケアの並行が必要な度合いが高い腫瘍と言えましょう。
肺がんの苦痛症状
緩和ケア情報をお届けする早期緩和ケア相談所ページでも、肺がんの緩和ケアを紹介しています。
肺がんは、骨・肝臓・脳などに転移し、特に前二者(骨・肝臓)は痛みの原因になります。
特に、骨転移は激しい痛みとなりうるので、手厚い緩和医療が必要です。
息苦しさに関しても、太い気管の近傍に腫瘍があって圧迫したり、浸潤したりすると、息苦しさや咳がかなり強い程度で持続することがありえます。
そのような場合は、ステントや放射線治療、それらが無効な時期ではステロイドの使用が検討されます。
これらの症状も、緩和ケアを行うのには専門的知識と経験が必要で、熟達した医師に相談する必要があります。
息苦しさ等の呼吸器症状は大変
息苦しさは痛みと並び、つらい症状の筆頭格ではありますが、死と直結するような恐怖感や不安となりえます。
早く緩和すべき症状です。
咳も長く続くと、消耗の原因になりますね。
息苦しさや咳には、モルヒネなどの医療用麻薬の適応も生じます。
余命数日の状態、あるいは極めて呼吸状態が悪い方への使用でなければ、呼吸への影響は心配ありません。
息苦しさに関しても、ぎりぎりになって使用するのではなく、比較的早い段階(がんの場合。余命数カ月かそれ以上)から医療用麻薬を導入するほうが良いでしょう。
最終末期の息苦しさは鎮静で対応
肺は呼吸器の病気なので、余命数日となった際の苦痛も、他のがんと比べて、息苦しさなどが耐え難い状況になるというケースが多いです。
その点では、最終末期の苦痛が、主としてせん妄等である他のがんよりも、呼吸症状でのつらさが多めであるとは言えますでしょう。
このような時の緩和策が「鎮静」を受けることです。
上記の参考資料や動画もご覧ください。
命を縮めず、眠った状態に導かれることで、苦痛緩和されます。
肺がんの患者さんは、息苦しさの問題が最終末期も大きな障害となる可能性があるため、鎮静ができる医師にかかるのは必須だと考えられます。
まとめ
肺がんの緩和ケアに関して動画で解説しました。
緩和ケアを併用することにより、最初に生存期間の延長可能性が示唆されたのが非小細胞肺がんです。
生きるために緩和ケアを併用する流れがますます加速してきています。
参考;腫瘍学<がん治療・抗がん剤治療等>と緩和ケアの統合(早期からの緩和ケア)は世界的な課題
攻めの治療に守りの治療を追加することが、良い結果を得ることにつながります。
早期からの緩和ケアをご活用頂ければと思いますね。