早期緩和ケア大津秀一クリニックではがんや慢性病のつらい症状や痛み、不安を早期からの緩和ケア外来で末期に限らず専門医大津秀一が全国対応。遠隔相談可オンライン対応緩和ケア外来で東京文京区所在。病気の進み具合や種類を問わず早期受診できます。スマートフォン等を用いたビデオ通話で相談することもできます。内科専門医でもあり身体全般に詳しいです。緩和ケア・緩和医療といえば当院にご相談ください。【診療科:緩和ケア内科・疼痛緩和内科・がん内科・がん精神科】

がんと精神・心理

がん患者さんが「不安になる検索」をやめられなくなる理由

早期緩和ケア大津秀一クリニックのサポートイメージ

――緩和ケア医の視点からお伝えします。

「検索しなければいい」と分かっているのに、
気づくとまた同じ言葉を入力している。

  • がん 経過 悪い
  • がん 余命
  • 抗がん剤 効かなくなった

検索するたびに不安は強くなるのに、
なぜ人はこの“つらくなる検索”をやめられないのでしょうか。

これは意志の弱さの問題ではありません。
脳と心の自然な反応です。


不安になる検索は「確認行動」です

医療の現場で多くの患者さんを診ていると、
不安が強い方ほど、同じ検索を何度も繰り返す傾向があります。

これは心理学的には
「確認行動」と呼ばれるものです。

  • 最悪の事態が起きていないか
  • もっと悪い情報が出ていないか
  • 見落としている事実はないか

頭では「もう十分調べた」と分かっていても、
不安がある限り、脳は確認をやめてくれません


なぜ「悪い情報」ばかりに目がいくのか

人の脳には、
危険を優先的に探す仕組みがあります。

これは生き延びるために必要な本能です。

そのため、検索結果に

  • 悪化した話
  • つらい経過
  • うまくいかなかった体験談

が並ぶと、
無意識のうちにそこへ注意が集中します。

良い経過の記事があっても、
脳は「そちらより危険情報を確認しろ」と命令してくるのです。


情報を集めているつもりで、実は不安を強めている

検索を繰り返していると、
一時的に「調べた」という安心感が得られます。

しかしそれは長続きしません。

なぜなら、
ネット上の情報は断片的で、文脈がないからです。

  • 今のあなたの状態に合っているか
  • 医学的にどの程度の話なのか
  • 例外なのか、一般的なのか

そうした整理がされないまま、
不安だけが積み重なっていきます。


主治医に聞けない不安ほど、検索に向かいます

「こんなことを聞いたら嫌がられるかもしれない」
「忙しそうで聞けなかった」

そうした思いから、
本当の不安が置き去りになることは珍しくありません。

その行き場のない不安が、
夜中の検索につながっていきます。

検索は、
誰にも遠慮せずに不安をぶつけられる場所でもあるのです。


緩和ケア医が大切にしている視点

緩和ケアでは、
「正しい情報を与えること」以上に、
不安の正体を一緒に言葉にすることを重視します。

多くの場合、検索の奥にあるのは、

  • 本当は何が一番怖いのか
  • どこまで分かれば安心できるのか
  • 今、誰に支えてほしいのか

そうした問いです。

そこが整理されると、
自然と検索の回数は減っていきます。


「検索をやめる」のではなく「不安を整理する」

無理に検索をやめようとすると、
かえって不安は強まります。

大切なのは、
検索の代わりに、不安を言葉にできる場所を持つことです。

それは主治医かもしれませんし、
セカンドオピニオンや緩和ケアかもしれません。

「治療を変えるかどうか」とは別の話です。
不安を扱う医療は、治療と並行して行えます。


今の状態は「助けを求めていいサイン」です

もし、

  • 同じ検索を何度も繰り返している
  • 夜になると不安が強くなる
  • 読むほどに怖くなってしまう

そんな状態なら、
それはあなたが弱いのではなく、
一人で抱えるには重すぎる不安があるというサインです。


最後に

検索し続けてしまうほど、
あなたは自分のことを大切に考えています。

だからこそ、
その不安を一人で処理し続けなくていい

緩和ケアは、
症状だけでなく「考えすぎてしまう心」も支える医療です。

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迷っている方へ

迷っている方へ

がんと診断されたあと、
「今すぐ何かを決めなければいけない」
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そんな状態でこのページをご覧になっている方も
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「すぐ決めなくていい問い」を、
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