はじめに|「早期からの緩和ケア」は“症状が出てから”では遅い時代に
緩和ケアというと
病気がかなり進んだ時
症状が強くなってきた時
抗がん剤がもう難しくなった時
に受けるものだと思われがちです。
しかし近年は大きく考え方が変わり、
「症状がなくても、早い段階から定期的に緩和ケアを受ける」
ほうがメリットが大きいことが世界的に示されてきました。
これは「早期からの緩和ケア(Early Palliative Care)」と呼ばれ、
欧米では標準的な概念として普及しつつあります。
早期からの緩和ケアで得られる主なメリット
海外の臨床研究では、早期緩和ケアに以下の効果が示唆されています。
◎ 生活の質(QOL)が改善する
日常生活が楽になり、不安・落ち込みが減る。
◎ 入院が減り、出費が減る可能性
症状が悪化してからの入院は出費が大きいですが、
早期介入で入院を防ぐ・在院日数を減らせる研究があります。
◎ 正しい意思決定がしやすくなる
病状の理解、治療選択、今後の準備など、
「その時々で最善の選択」を支援できる。
◎ 必要以上に身体を傷める治療が減る
命が差し迫った際には益が低下する抗がん剤治療などを回避しやすくなる。
◎ 病気によっては生命予後が延びる可能性
特に非小細胞肺がんでは
生存期間中央値が +2.7ヶ月延びた 有名な研究があります。
緩和ケアは「症状緩和」のみならず、
予防・生活・意思決定・心理支援・社会的支援 にまで広がる
“総合医療” として進化しています。
なぜ症状がないうちから受診するのか?
世界的には、緩和ケアは
第一世代:末期のみ
第二世代:症状が出てから
第三世代:症状がなくても定期受診
へと進化してきました。
特にがん治療は複雑化し、
患者さん・家族の負担は年々増えています。
そのため、
生活の質の維持
副作用対策
仕事との両立
高齢の家族の介護との両立
心理支援
先々の準備
など、“治療以外の重要な部分” を支えることが
ますます必要になっています。
早期緩和ケアは、
「病気と共に生きる期間をよりよいものにする」
ための総合的サポート なのです。
科学的根拠|肺がん・膵がん・心不全・呼吸器疾患にも広がる
代表的な研究をまとめると:
■ 非小細胞肺がん
生存期間中央値:11.6ヶ月 vs 8.9ヶ月(NEJM 2010)
→ 早期緩和ケア群が明確に長い。
■ 膵臓がん
統計的有意差はつかないものの
生存中央値:6.6ヶ月 vs 5.7ヶ月
→ 早期介入群が長い傾向。
■ COPD(慢性閉塞性肺疾患)
→ 生命予後が延びる可能性。
■ 心不全
→ 生活の質改善・満足度向上。
早期緩和ケアの効果は
がん以外の病気にも広がってきている のが現代の潮流です。
東京で早期緩和ケアを相談できる専門外来
東京都内にも緩和ケア外来は増えてきましたが、
多くは
末期に近い段階
すでに症状が強い段階
病院の外来は枠が少なく予約が困難なことも多いです。また担当医の許可がおりないこともあります
初診まで容易にたどり着けないこともしばしばある
という状況が一般的です。
そのため
「症状が少ないが、先々を考えて相談したい」
という方が受診しづらいのが現状です。
早期緩和ケアクリニック(当院)の特徴
当院では
✔ 症状が軽い段階からの相談
✔ 治療中の副作用相談
✔ 心理的サポート
✔ 家族の相談
✔ セカンドオピニオン的相談
✔ 今後の見通し・人生会議の支援
✔ 他院治療中の方も受診可能
を行っています。
がんだけでなく、
慢性呼吸器疾患・心不全・難病の方もご相談いただけます。
オンライン緩和ケア相談にも対応しています
東京以外の方からの需要が非常に増えているため、
オンライン緩和ケア相談 にも対応しています。
オンライン相談で可能なこと
状態把握
副作用の相談
心理的支援
病状と今後の予測
家族への説明
遠隔の人生会議(ACP)支援
「遠方で通えない患者さんの緩和ケアの入口」としてご利用いただけます。
早期緩和ケアが向いている方
がん治療中の方
今後のことが不安な方
家族だけで支えるのが大変な方
病状について整理したい方
症状は軽いが、先の備えをしておきたい方
入院・出費をできるだけ減らしたい方
東京で緩和ケアを探している方
オンラインで緩和ケア相談をしたい方
まとめ|早期からの緩和ケアは“転ばぬ先の杖”
緩和ケアは、
苦しくなってから受ける医療ではありません。
生活の質を守り
心を支え
先々への不安を整理し
必要以上に身体を傷めない治療選択を支え
時に生命予後まで延ばし得る
これらの効果があるため、
“予防的な医療” として位置づけられています。
困った時だけでなく、
「元気なうち」「治療初期」「診断直後」
から利用できるのが早期緩和ケアです。
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