「緩和ケアって、初診で何をされるの?」
緩和ケアを考え始めた方から、最も多く聞かれる質問の一つです。
痛みの話だけ?
もう治療をやめる前提?
何か決断を迫られる?
結論から言うと、
初診で「何かをやめさせられる」ことはありません。
緩和ケア初診の目的は「治療」ではありません
初診の最大の目的は、
いまの状況を整理し、困っていることを一緒に言語化することです。
いきなり治療方針を変えたり、
在宅や終末期の話を強制されることはありません。
★もちろん、痛みなどのつらい症状がある場合は適切に治療を開始します。
初診で実際に行われること①
いま困っていることを聞く
まず行われるのは、次のような聞き取りです。
身体のつらさ(痛み、だるさ、息苦しさなど)
気持ちのつらさ(不安、怖さ、迷い)
治療や説明でわからなかったこと
家族との関係で困っていること
「うまく話せなくても大丈夫」なのが緩和ケア外来です。
初診で実際に行われること②
症状や生活の影響を整理する
症状があれば、
いつから
どのくらい
生活にどう影響しているか
を丁寧に整理します。
重要なのは、
「我慢していること」も症状として扱う点です。
初診で実際に行われること③
治療との関係を確認する
よくある誤解ですが、
緩和ケア=治療をやめる
ではありません。
初診では、
現在の治療内容
主治医との関係
今後の予定
を確認し、治療と両立できる形を考えます。
初診で実際に行われること④
情報の整理と補足
多くの方が、
説明を受けたが理解できていない
情報が多すぎて混乱している
状態にあります。
緩和ケア初診では、
何が決まっているのか
何がまだ決まっていないのか
今すぐ決めなくてよいこと
を整理します。
初診で「しないこと」
安心してほしい点もあります。
初診で、通常行われないことは:
治療中止の決断を迫る
在宅緩和ケアへの強制的な切り替え
延命か否かの選択の押し付け
家族に勝手に話をする
本人のペースが最優先です。
痛みの薬は必ず出る?
症状があれば、
必要に応じて薬の調整を行います。
ただし、
無理に薬を増やす
いきなり強い薬を使う
ことはありません。
「生活を保つために必要な量」が基本です。
初診後、どうなる?
初診後は、
定期的に外来で相談
状況に応じて間隔を調整
必要になれば在宅の相談
という流れになります。
1回で完結する必要はありません。
「まだ早いかも」と感じている方へ
緩和ケア初診は、
決断の場ではありません
終末期の宣告でもありません
「整理する場所」です。
迷っている段階こそ、
初診に向いています。
まとめ
緩和ケア初診は「話を聞くこと」が中心
治療をやめる前提ではない
症状・不安・情報を整理する
何も決めずに帰ってもよい
「何をされるかわからない不安」より、
「一人で抱え続ける不安」の方が大きいこともあります。

















