• 早期からの緩和ケアを専門とするクリニックの落ち着いた院内の様子

早期緩和ケア大津秀一クリニックではがんや慢性病のつらい症状や痛み、不安を早期からの緩和ケア外来で末期に限らず専門医大津秀一が全国対応。遠隔相談可オンライン対応緩和ケア外来で東京文京区所在。病気の進み具合や種類を問わず早期受診できます。スマートフォン等を用いたビデオ通話で相談することもできます。内科専門医でもあり身体全般に詳しいです。緩和ケア・緩和医療といえば当院にご相談ください。【診療科:緩和ケア内科・疼痛緩和内科・がん内科・がん精神科】

早期からの緩和ケア外来

「緩和ケアの矢先」という言葉は、なぜこれほど誤解を生むのか ――緩和ケア医がどうしても伝えたい、致命的に間違った日本語

早期緩和ケアクリニック2025

「緩和ケアの矢先に亡くなった」という違和感

著名人の訃報記事などで、
「緩和ケアの矢先に亡くなった」
という表現を目にすることがあります。

一見すると事実を淡々と述べているようですが、
この言葉には重大な誤解が含まれています。

それは、
緩和ケア=最期直前に行う医療
という誤ったイメージを、無自覚に強化してしまう点です。


「矢先」という言葉が作り出す誤解

「矢先」という言葉は、

  • 何かを始めた直後
  • 期待される変化が起きる前
  • 効果が出る前に中断された

というニュアンスを強く含みます。

つまり
「緩和ケアを始めたが、間に合わなかった」
という印象を、読む側に自然に植え付けてしまうのです。

これは、緩和ケアの実態とはまったく異なります


緩和ケアは「始めたら何か望みと異なる悪いことが起きる医療」ではない

緩和ケアは、

  • 延命治療でもなく
  • 最期を引き延ばす医療でもなく
  • また逆に命を縮める医療ではありません

緩和ケアの本質は、
その人が置かれている状況の中で、苦痛を和らげ、支え続けることです。

それは一度きりの処置でも、
短期間で完結するものでもありません。


「緩和ケアの矢先」という表現がもたらす二次被害

この表現が問題なのは、
亡くなった方の印象だけではありません。

同じ病気で闘っている患者さんや、その家族に対して、

  • 「緩和ケアに行っても意味がないのでは」
  • 「もう手遅れの医療なのでは」
  • 「最期を待つだけの場所なのでは」

という誤解と恐怖を、無言のうちに刷り込んでしまう点です。

また緩和ケア=治療終了という誤用から、

治療終了と言われた矢先に、と同義の意味として用いられることは、

緩和ケアに適切な時期にかかることの妨げとなるのです。


実際には、緩和ケアはもっと前から関わっている

多くの場合、
「緩和ケアの矢先」と表現されるケースでは、

  • ずっと以前から症状緩和の工夫が行われていた
  • 主治医や多職種が関わり続けていた
  • 本人や家族の支えとして機能していた

という背景があります。

それをすべて切り捨てて、
「矢先」という一言で語ってしまうこと自体も不正確なのです。


本当に使うべきだった言葉

もし事実を正確に、かつ誤解なく伝えるなら、

  • 「療養の過程で緩和ケアが行われていた」
  • 「治療と並行して、症状緩和が続けられていた」
  • 「最期まで苦痛の軽減に配慮された医療が行われていた」

といった表現のほうが、はるかに実態に近いでしょう。

ましてや治療終了という意味で緩和ケアを用いることは、

特にメディア関係の広く発信力がある媒体などでは控えることが相応しいでしょう。


緩和ケアは「矢先」で語られる医療ではない

緩和ケアは、

  • 成否で評価される医療でもなく
  • 最期の直前に突然始まるものでもありません

「矢先」という言葉で語られること自体が、本質から外れているです。


まとめ

「緩和ケアの矢先」という表現は、

  • 緩和ケアを誤解させ
  • 患者さんの不安を増幅させ
  • 医療の実態を歪めてしまう

非常に危うい言葉です。

緩和ケアは、
最期を早めた医療でも、間に合わなかった医療でもありません。

その人が生きている時間を、
少しでも穏やかに、少しでも人らしく支える医療です。


最後に

言葉は、
医療そのものよりも、時に人を傷つけます。

だからこそ、
緩和ケアを語る言葉には、
もう少しだけ慎重であってほしい――
それが、現場に立つ者としての切実な願いです。

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